天才絵師・むしまつさまからのお年賀

むしまつ

天才絵師・むしまつさまからお年賀の暦色紙をいただく。

天才絵師・むしまつさんは、天神祭で使われる提灯の絵付けや字入れをされたり、舞台美術をされたり、あちらこちらでご活躍の天才絵師である。暮れには、松竹座のまねき看板も描かれていた。MBSのほっこり番組「ポテトなじかん」にも、ついにお呼びがかかってはった。

伝統的なフィールドでご活躍されているので、和装など似合いそうなものなのだけれども、近ごろ、ご本人のヘアスタイルは爆発している。それはもう、思わず、ボンバー!と叫びたくなるほどで。たいがいにせえよ、と、ええなあ、が、入り交じり、正直に告白しておくと、僕は少し嫉妬している。

伝統的なフィールドでご活躍されているので、和装など似合いそうなものなのだけれども、近ごろは、シックで妖艶な黒のドレスをお召しになり、艶かしい御御足をニョキっと惜しげもなく出し、ミラーボールの下で昭和歌謡なんぞを歌ってはるときもある。そんなときは、やはり、ボンバー!と叫びたくなる。たいがいにせえよ、と、ええなあ、が、入り交じり、正直に告白しておくと、僕は少し嫉妬している。

そんなことよりも、なによりも嫉妬するのは、ひょいひょいと筆を一筆走らせただけで、それが巳さんに見えてしまう、その天賦の才である。ご本人は、努力の賜物とおっしゃるかもしれないが、いやいや、努力の痕なんぞ、どこにも見えやしない。あれは、天賦の才である。
僕が渦巻きを描いたところで、蒲鉾のなるとの渦模様に見えれば御の字である。それが、天才絵師の手にかかると、ひょいひょいと、生が吹き込まれたよう、今にも動き出しそうな、巳さんになる。
ずるい。
たぶん、5秒くらいで、ひょいひょい、である。5秒のマジック。ずるい。
念のために書いておくが、手が早いと褒められることもある僕がひとつの広告を製作するのに、なんぼ簡単な案件でも、半日はかかる。
それが、5秒である。
ずるい。

でも、そういう人はいるんである。
ギターの弦をポロンと弾いただけで時空をねじ曲げてしまうような音空間をつくる人。パシャッとシャッターを切っただけで現実に対する批評であるかのような画像を定着させてしまう人。
そういう人は、ときどき、いる。

もちろん、外から見えない水面の下では、必死こいて足をバシャバシャさせているかもしれないが、その痕がどこにも見えないかっこよさもある。

天才絵師・むしまつさんも、そこに収まっている人である。
ずるい。
きっと、見えているもの、聞こえているもの、匂っているもの、感じているものが、僕とは違うのだ。
ずるい。
ずるいが、しゃーない。もう、しゃーない、としか言いようがない。

縁あって、そのような方から、このようなお年賀の暦色紙をいただくようになった。

今年も、大切に飾らせていただきます。
むしまつさん、ありがとう!

図研むしまつ

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