沖縄の出版文化はぶ厚い

おきなわいちば
沖縄を訪れたときの楽しみのひとつに、本屋さんを訪れるというのがあります。

最近は、つひまぶをやっていることもあってか、どこへ行っても、その地域の地域情報誌を手に入れるのが趣味みたいになってきているのだけれども、なかでも、沖縄は別格

今は、ジュンク堂が那覇に出店していて、覗くと、いやーすごかった。店頭の一番前に、県産本がずらーっと並んでいて、壮観壮観。
そう、沖縄には、「県産本」というジャンルがあって、県産本ネットワークなんてのもあるのです。
出版社同士の横のつながりがなく、ネットワークをつくる動きがあったときに、「県産本」という言葉が生まれたのでした。20年ほど前のこと。「沖縄本」だと、たとえば東京の出版社がつくる「るるぶ沖縄」のようなものまで含んでしまうので、沖縄の出版社がつくった沖縄の本、というくくりで「県産本」。

沖縄がまだアメリカ世(アメリカゆー。アメリカ施政権下の時代ね)だったころ、彼の地では、出版規制なるものがあり、出版となると、わずかに新聞社のみが手を染めることができる程度で、かなり強い規制があったのでした。
沖縄返還後に、その反動から雨後のタケノコのごとく出版社が林立します。やっぱ、自分たちの文化は自分たちで守らなければならないという思いが、アメリカ世の時代に醸成されていったのだと思います。
文化といって、なにも琉球の歴史や戦争の歴史のことだけでなく、料理本や衣服のことなど、そもそも生活習慣が本土とは違うのだから、そうした商業ベースの本に対するニーズも、沖縄にはあるのです。(にがうりがゴーヤと呼ばれるようになり、チャンプルーが本土の料理本に載るようになったのは、この15年くらいじゃなかろうか。)
今も、沖縄の出版社の数は、都道府県別で15位です。県内総生産や市場規模を考慮すると、とんでもない数字だと思いますね。

ジュンク堂は素敵な本屋さんなので、「県産本」が一番前にズラーッと並んでます。
沖縄の人は、本をよく買います。ジュンク堂那覇店のランキングでは、上位は沖縄の時事問題の本で占められています。田中角栄本は、ずっと下。場所柄、常に「時事」がある沖縄だけれども、それ以上に、沖縄の人たちの読書欲や知識欲は旺盛で、沖縄の人は沖縄のことを知りたがっているのだということが、ランキングを見ると一目瞭然です。文化の「地産地消」が、沖縄にはあります。僕は、それに少しでも触れていたいと思っています。
きっかけは、1990年のボーダーインクに触れ合ったことかなー。その年に設立された出版社「ボーダーインク」の、これまでにはないオルタナティブな視点が、僕に、沖縄の出版文化へ目を向けさせたのでした。今や、沖縄の出版文化の主翼を担っている出版社です。

地域情報誌から単行本、新書まで、なんだかんだで30冊近く買い込んでしまいました。(宅急便じゃなくて、重たいのを担いで持って帰ってきたよ!)
写真のものは、それらの、ほんの一部。

「おきなわいちば」は、市場を舞台にして、さまざまな切り口で紹介していく雑誌。沖縄にはたしかに天満市場みたいな市場がたくさんあるけれども、それでも、よくもまあ、市場という縛りのなかでやるなと思いますね。ニッチな場所を主戦場にする雑誌は、僕は大好きです。
「オキナワグラフ」の表紙はとても秀逸。
「モモト」は全編オールカラーで、美しい写真がたくさん掲載されています。

しばらくは、買い込んだ本を貪り読みながら、至福のときを過ごすのです。

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