Luis presents! DEEP KYOTO 2004 all right reserved
Google
文明の館編

河井寛次郎記念館 河井寛次郎記念館
所在地:京都市東山区五条坂鐘鋳569 HP:http://www.studiomiu.com/kanjiro/main.html
電話:075-561-3585
営業時間:10:00-17:00 定休日:月曜 (月曜が祝日の場合は翌日休) 入館料:900円
土と炎の詩人が暮らした館は、用の美を説く
芸術家や文化人の功績をたたえる記念館は数あれど、そこをあとにするとき、癒されたなあ、としみじみ思うことは稀だ。
そういう意味では、ここは異色の記念館かも知れない。そもそも、展示物を手にとって五感すべてで味わうことの出来る、数少ないミュージアムなのだ、ここは。陶器だけではない。木彫、さらには家具や調度品、書まで、寛次郎が製作したものが多岐にわたって展示されている。
日本民藝運動の主要メンバーにして、土と炎の詩人と謳われた陶芸家・河井寛次郎が昭和12年に建てたこの住まい全体が、地位や名声を欲しなかった彼の素朴な人柄を表しているように思える。足裏や手のひらから伝わる木の家のぬくもりは、あるいは空間に溶け込む木彫作品のふくよかな質感や陶芸作品の斬新でダイナミックで柔和な景色は、暮らしのなかに美を見出すことの大切さを教えてくれる。
また、建物の奥に併設されている、10万点もの陶器を生み出した寛次郎の登り窯は、五条坂が陶工の町として栄えていた頃を彷彿とさせる。

アサヒビール大山崎山荘美術館 アサヒビール大山崎山荘美術館
所在地:京都府乙訓郡大山崎町字大山崎小字銭原5-3 HP;http://www.asahibeer-oyamazaki.com/index.html
電話:075-957-3123
営業時間:10:00-17:00 定休日:月曜 (月曜が祝日の場合は翌日休)  入館料: 700円
モネだけでなく、建物から周囲のすべてまでに息づく美
山崎の合戦古戦場の近く、天王山の麓である大山崎の地に建つ英国風の洋館。大山崎山荘はこの緑に囲まれた風格ある歴史を感じさせる洋館を、ほとんど手つかずのまま美術館としている。そしてこの洋館に隣接して建つ安藤忠雄設計の新館には、クロード・モネの睡蓮をはじめとする作品が数点常設されている。
自然に抱かれたロケーションに木造の英国風洋館が建っているだけで、京都の他の自然とは違った箱根や軽井沢のような印象を受けるのは、ここがやはり別荘地だったからだろうか。心地のいい椅子に座って本を読みに行くだけでも価値があるように思う。非常にがっちりとして豪放な建築だが、現在のコストと効率性を重視した建築には見られない、繊細で品の良い装飾が施されている。英国風ということで連想してしまうのか、アガサ・クリスティーの小説の舞台となりそう場所。この建物には河井寛次郎やバーナード・リーチなど民芸運動家の陶器などが展示されていて、2階のバルコニーには京都を一望出来るカフェも併設されている。周囲の自然をも含めた、庭、建物、展示品、調度品のすべてを堪能出来る、全身体感型の美術館。

京都万華鏡ミュージアム姉小路館 京都万華鏡ミュージアム姉小路館
所在地:京都市中京区姉小路通東洞院曇華院前町706-3
電話:075-254-7902
営業時間:11:00-17:00 定休日:月・火曜、祝日休み 入館料:300円
幾千もの煌めくガラスアートの世界
中京区の旧初音中の校舎を利用してオープン。ゆっくりと万華鏡を楽しめるようにと、カフェも併設されている。
所蔵する国内外の創作万華鏡は約180点で、そのうち、約50点が常時展示されている。それらはほとんど、実際に手にとって楽しむことが出来る。スタンダードな筒状のものはもちろん、ドラム缶やロボットを象った個性的なものや、音楽にあわせて回転するものなど、初めて出会う万華鏡ワールドがひろがっている。なかでも、日本に二つしかないピラミッド型の万華鏡は、覗けば日本の四季が表現されているという逸品。
また、作家を招いて行われる万華鏡の手作り教室など、京都市民のための生涯学習にも力を注いでいる。

宇治市源氏物語ミュージアム 宇治市源氏物語ミュージアム
所在地:宇治市宇治東内45-26
電話:0774-39-9300
営業時間:9:00-17:00 定休日:月曜(月曜が祝日の場合は翌日休) 入館料:500円
リアル源氏物語ワールドで紫式部の人生観を読み解く
平安時代を代表する女流作家、紫式部はどんな女性だったのだろうか?1000年も昔に活躍した人の生涯を紐解くのは至難の業だが、彼女には、『源氏物語』という、どんな詳細な履歴書にも勝る足跡が残されている。同書に描かれた男女の憎愛劇や人間の苦悩は、今の世にも通ずることが多い。そんな彼女の物語世界を、ビジュアル化したものを中心に展示しているのが、このミュージアム。
さらに、当地は、物語の最終地である宇治十帖に登場する八宮邸にあたる場所でもあり、近くに宇治川が流れ、豊かな緑にも恵まれ、ともすれば京都市内よりも当時の風情を色濃く残している。文献、史料、小説などのライブラリー機能を持ち、コンピュータによる情報交換も可能で、ハイテク化が進んでいるのも嬉しい。

月桂冠大倉記念館 月桂冠大倉記念館
所在地:京都市伏見区南浜町247 HP:http://www.gekkeikan.co.jp/enjoy/museum/index.html
電話:075-623-2056
営業時間:9:30-16:30 定休日:月曜 入館料:300円
職人の心意気が生んだ、伏見の酒の魅力を学ぶ
濠川沿いの歴史ある町並みの一角に、月桂冠大倉記念館がある。創業地でもある建物のロビー中央の大きな柱には、職人が使っていた鎌をかけておくために出来た傷跡が残っており、往時の活気が伝わってくるような空間になっている。白壁土蔵の中で昔ながらの酒造りを見学出来る貴重な場である。酒造工程を紹介する展示室では、伏見の酒造りについて知ることが出来るとともに、秀吉にも縁のある伏見の地の歴史を学ぶことも出来る。また、ここの酒造用具はすべて京都指定有形民俗文化財となっており、大変貴重なもの。

キザクラカッパカントリー キザクラカッパカントリー
所在地:京都市伏見区塩屋町228 HP:http://www.kizakura.co.jp/chokuei/country/index.htm
電話:075-611-9921
営業時間:10:00-20:00 定休日:なし 入館料:無休
名物のカッパに教わる黄桜酒造の明るい商魂
♪カッパッパー ルンパッパーの軽快なフレーズやカッパのイラストでお馴染みの黄桜酒造。イメージキャラクターを据えての宣伝活動や地ビールへの素早い参入など、柔軟な発想で市場を切り開くパワーは京都随一と言ってもいいかも知れない。創業地に築いたこの記念館にしても、他社の物真似に終わらず、フィギュアで酒造りの行程を紹介したり、全国のカッパ伝説を集めたカッパ資料館を開設したりと、とにかく、その発想が素晴らしい。これらの展示品を眺めているだけでも黄桜ブランドを堪能出来るというものだが、併設のレストランでは銘酒もいろいろと味わえるようになっている。例のメロディを口ずさみつつ一献傾ければ、すでにカッパの国の上級者…。

キンシ正宗堀野記念館 キンシ正宗堀野記念館
所在地:京都市中京区堺町通二条上ル亀屋町172 HP:http://www.kinshimasamune.com/home.html
電話:075-223-2072
営業時間:11:00-17:00 定休日:月曜 入館料:300円
酒造りと町屋文化の食住アミューズメント
キンシ正宗創業者の本宅であり、明治まで造り酒屋を営んでいたのが堀野記念館。酒造りの道具をはじめ、古い大店の町屋の佇まいにじっくり触れられのが、ここの最大の特徴である。芸妓のステージを備えた座敷や機能的な女中部屋、それらを彩る貴重な装飾品の数々を、常駐のガイドさんが当時の面影を辿りつつ案内してくれる。ハイライトは、なんといっても、重厚な灯籠が美しい「鶴亀の間」に湧く「桃の井」。この地で200年間湧き続けており、今でも1時間に3リットルは清水が湧き出ている。銘酒を育てたこの水は、現在は敷地内の醸造所で地ビールの製造に使われている。

京都祇園らんぷ美術館 京都祇園らんぷ美術館
所在地:京都市東山区祇園町南側540-1
電話:075-525-3812
営業時間:10:30-17:00 定休日:水曜(水曜が祝日の場合は開館) 入館料:500円
文明開化のロマンを灯したランプの煌めき
小さな入口はほの暗く、まるで秘密の場所へ入っていくような密やかな心地。細い階段を二階に上がると、目の前に現れるのはシャンデリアか噴水のオブジェかと思うほど迫力のある物体。これもランプ?と、思わず、驚きの声が上がる。館内には、日本特有の畳に置いた座敷ランプや吊りランプ、竹を使ったものなど、日本製・外国製あわせて約600点、開国を機に日本の生活に浸透し、明治の夜に煌めいたランプがひしめいている。電燈が普及するまでのわずか約50年間、ガラスの本場ボヘミアにも劣らない品を生産するまでになった文明開化特有の技術が、ここでは堪能出来る。

飛行神社資料館 飛行神社資料館
所在地:八幡市八幡土井44
電話:075-982-2329
営業時間:9:00-16:00 定休日:月曜 入館料:300円
空にかけた夢と情熱を辿る資料館
1903年、人類初の有人飛行を完成させたライト兄弟。けれども、その12年前、無人飛行を成功させたある日本人がいた。後にこの飛行神社を創建する二宮忠八。彼は、空を飛ぶことが夢物語だった時代に、一人でその偉業を達成させたのだった。
神社の境内奥にあるのが、彼の人生、飛行への夢と情熱を追うことが出来る資料館となっている。二宮忠八本人が書いたイラストやメモなどで紹介されるのは、鳥や凧などの細かな観察記録。羽を伸ばして飛ぶ烏を見て、羽ばたかなくても飛べる飛行原理を発見した彼が生み出したのが、カラス型飛行器である。さらに、ライト兄弟に先を越されてはしまったが、その設計は現在の飛行機にも劣らないものと評価されている小型模型は、まさに彼の情熱の結晶である。彼の偉業のほか、人類の飛行の歴史を一望出来る資料館となっている。

ワコール・ミュージアム・オブ・ビューティ ワコール・ミュージアム・オブ・ビューティ
所在地:京都市南区吉祥院中島町29ワコール本社ビル1F HP:http://www.wacoal.co.jp
電話:075-682-1153
営業時間:10:00-17:00 定休日:土・日・祝日 入館料:無料
グッドデザインの秘密を探る
心と身体の美しさへの飽くことなき追求。女性たちのそんな思いとともに歩んできたインナーウェアの第一人者『ワコール』。婦人洋装装身具の卸商を営んでいた創業者である故塚本幸一氏が1949年に発明家からブラパットを手に入れたことによって、ワコールの商品開発ははじまった。
綿を使用した昭和20年代のブラから、シームレス、フロントホック、グッドアップブラ…、女性の欲求に合った素材、機能性、デザインにより進化するブラを年代順に展示し、下着革命の変遷と長年培ってきた研究成果を辿ることが出来る。館内のスクリーンでは歴代のテレビCM映像やポスターも見ることも出来る。さらに美しさを体感したければ、おなじフロアにある「お客さまサロン」へ。正しいボディサイズを測定してもらえるので、約30種類400点のなかから本当にフィットするブラを選ぶことが出来る。ブラの裏と表だけでなく、中身までも紐解くワコールならではの、美の殿堂。

京都工芸繊維大学美術工芸資料館 京都工芸繊維大学美術工芸資料館
所在地:京都市左京区松ヶ崎御所海道町 HP:http://www.ipc.kit.ac.jp/~siryokan/
電話:075-724-7924
営業時間:10:00-17:00 定休日:月曜・年末年始・入試時期 入館料:無料
レトロモダンの息吹に包まれたポスターの数々
高い吹き抜けの館内に畳の大きさにして三畳分もありそうな巨大なアンティーク・ポスターがお出迎え。実際に街角に貼れていたと思われるロシア革命記念のポスターや、当時パリの町に登場したばかりの自動車をあしらったものなど、大胆な構図と色使いで楽しませてくれる。これらは、今から100年ほど前に、美術デザインの教授たちが教材としてフランスやイタリアから持ち帰ったもので、当時の学生たちはこれらをお手本にしていたのだとか。館所蔵の膨大なコレクションは約2万点で、展示されているのはごく一部だが、クリムトの描いた「第1回ウィーン・ゼツェシオン展」のポスターなど、19世紀末から20世紀初頭にかけての貴重な作品を見ることが出来る。ポスターのほかにも、ルイス・ティファニーのガラス工芸品などの珍しい作品も展示されている。

島津創業記念資料館 島津創業記念資料館
所在地:京都市中京区木屋町二条南 HP:http://www.shimadzu.co.jp/forest/jindex.html
電話:075-225-0980
営業時間:9:30-17:00 定休日:水曜 入館料:300円
童心に還って楽しめる、科学のイロハが詰まった資料館
七色に塗られたコマを回すとどんな色に見える?そんな身近な疑問に向き合い、ひとつひとつに答えを導き出したのは、島津製作所創業者の島津源蔵氏。海外の教育が導入されつつあった明治初期、日本の教育現場でも実験を通して子供たちに学ばせようと、さまざまな理科教材が出現した。それらの多くは、同氏が手がけたものが多いのだ。ここには、当時の実験器具をはじめ、X線などの医療機器に至るまで、数多くの展示品がある。一部は実際に手にとったり、実験することも出来る。多種多様にわたる製品のなかでもユニークなのが、日本人のスタイルに合わせたマネキン。今は現物は残らずポスターだけの展示だが、新しい発見と発明で人々を驚かせてきた島津の熱意が伝わってくる。

二条陣屋 二条陣屋
所在地:京都市中京区大宮通御池下ル137 HP:http://www.shimadzu.co.jp/forest/jindex.html
電話:075-841-0972
営業時間:9:30-17:00 要予約 入館料:1000円
諸国大名の京都見物の拠点は至れり尽くせりの宿
寛永10年 (1670年) に建てられ、400坪の敷地に井戸が12ヶ所、茶室が7部屋。そう聞いただけでも市井の町屋と異なる規模だと察しがつくが、館主の話を聞きつつ邸内を巡れば、ここがとんでもない文化財であることを痛感する。この屋敷はかつて江戸時代の諸大名が入洛した際のお宿として利用されたのだ。書院造りの大広間の隣にお能の間を設け、いざというときに大名を2階へ導く釣階段や、武者溜という隠し部屋まで用意されている。さながら、忍者屋敷のよう!

top