「恋と病熱」

昨年、年若い友人に初音ミクについて滔々と語られたのだけれども、まったく響いてこなくてスルーしたことを激しく後悔した。
今頃になって、耳に入ってきた。
この、米津玄師って人は、初音ミク界隈では、ハチ名義ですでに大騒ぎされている人。いよいよオーバーシーンにデビューってことで。
全パート演奏、ボーカル、果ては動画からアートディレクションまでこなすマルチ・プレイヤー。
もうね、聴いた瞬間に、爆弾だ!と思ったね。
久々に登場した、圧倒的な才能。
膨大な言葉世界、ロック&ポップの文脈を縦横に使って洪水のようにぶち込み、大容量のストレージをオーバーフローさせるかのような音楽。
要するに、閉塞して息苦しいばっかりのこの現実の世界を箱庭にぎゅっと詰め込んで、そっから、新しい世界をとらえようとする音楽。一点突破型の。
密室性の高い音から吹いてくる風は、上昇してく突風ですらあるね。
そう、これは、
ムーンライダーズの「マニラ・マニエラ」であり、
フリッパーズの「ヘッド博士の世界塔」であり、
中村一義の「金字塔」だ。
日本の音楽に、地下葉脈のようにして脈々として流れている、あの手の音楽。
その、最新型。
ロックというのは、
世界中にあっかんべーをしてしまった圧倒的な拒絶のなかで、「愛してる!」と叫ぶことだと、僕は思っている。
そういう音楽。

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