「山の神仏 吉野・熊野・高野」

「山の神仏 吉野・熊野・高野」

吉野、熊野、高野。
三つの「野」が交錯する紀伊半島の、日本最大の秘境トライアングルにして聖地帯。
そこには、独自の神仏習合文化が息づいています。
神道や山岳信仰の土壌のうえに、密教と修験道が結びついて独自の展開を広げ、役行者小角や空海、一遍などの革命的宗教家たちが、この山岳地帯を奥深く縦走しながら、大自然の声を聴き、神仏の啓示を受け、新たな思想を確立していきました。
4/8から大阪市立美術館で開催されている「山の神仏 吉野・熊野・高野」は、そういう場所の宗教文化を一堂に集めて展示してます。
もうね、神仏習合ならではの、不思議なビジュアルが満載ですわ。
最右翼は、吉野の「蔵王権現」ですね。
修験道の本尊で、インドに起源を持たない日本独自の仏さんです。権現とは「権(かり)の姿で現れた神仏」の意で、仏、菩薩、諸尊、諸天善神、天神地祇すべての力を包括しているという、とんでもないお方です。
熊野には、イザナギの女神像があります。
高野山からは不動明王立像。不動明王は一般的な像と思えるかもしれないけれども、これは、空海によって日本にもたらされたもので、それまでの日本の仏教には、憤怒の表情をした仏像はありませんでした。でも、微笑みだけでは表現できないものがあるのだとして、空海こそが、表現の幅を広げたのでした。そういう、像です。
そういうものが、たくさんあります。
ええ展示です。

「山の神仏 吉野・熊野・高野」

「山の神仏 吉野・熊野・高野」

「山の神仏 吉野・熊野・高野」

「山の神仏 吉野・熊野・高野」 4月8日(火)~6月1日(日)
大阪市立美術館

大阪市天王寺区茶臼山町1−82
osaka-art-museum.jp

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