東京大衆歌謡楽団

東京大衆歌謡楽

天神橋筋商店街の4丁目、JR天満駅のすぐ南に、10坪ほどの空き地があります。キャベツ焼きの店の横ね。
今日そこを通ったら、ものすごい人だかりができていて、その向こうから懐かしい音楽が聞こえてくるのですね。
なんかいな?
と思って、人だかりをかき分けていくと、昭和前期チックな出で立ちの3人組が懐かしい音楽を奏でています。
上海帰りのリル
東京ラプソディ
啼くな小鳩よ
花の東京
青い山脈
森の小径
誰が故郷を想わざる
……
まあ、僕自身は、懐かしい!って年代ではないですが、誰が聴いても懐かしく、郷愁を誘うのですよ。
柔らかいウッドベースのリズムに乗せて、アコーディオンがセピア色の音色をつけ、藤山一郎バリのルックスのボーカルが滔々と歌い上げます。
上手いです!
もうね、商店街は年金もらってるようなオジィやオバァで黒山の人だかりになっていて、演奏してる場所の前に帽子をひっくり返して置いてるから、投げ銭が入りまくりです。みんな、財布の紐がユルいユルい!あんな、ことごとくみんなの財布の紐がユルくなる現場って、なかなか見れないですね。切れ目なく1000円札を放り込んでいく人の波。
もうね、オジィやオバァの琴線に触れまくっていたようなのですよ。
聞くと、東京を中心に活動している、「東京大衆歌謡楽団」というバンドなのだそうです。
ウッドベース、アコーディオン、ボーカルのスリーピース。
大阪でもたまにだけど、ライブがブッキングされるようで、そのときは、こうしてストリートライブをやるそうです。
今回も、5月7日に野崎観音ののざきまいりで歌う仕事があり、大阪に来た、と。

まだ若いですよ。
30歳前後じゃないでしょうか。
そんな彼らが、なぜ、戦前戦中の昭和歌謡をやるのか。
ライブ後に、少し話をさせていただきました。
もともとは8人編成で、世界中の民族音楽をやっていたのだけれども、解散後、残ったメンバー3人で、今の音楽をはじめるようになった。
民族音楽をやっていたときからそうだけど、商業ベースに乗る手前の純・音楽とでも呼びたくなるような大衆音楽に興味があり、日本のそういう音楽を研究していくうちに、今のようなかたちになった、と。
今、意識的なミュージシャンは、そのように、未来へ向かうために過去の遺産に視線を向ける人が増えてきましたね。
そっから、自分の本当の音楽を見つけて、新しい音楽をつくっていくんです。
SFUやシカラムータの背中を見て。
彼らもまた、SFUのモノノケサミットからは多大な影響を受けたのだそうです。
– この編成にオリン(バイオリン)が加わればサイコーだと思いますよ。
そうなんですよ~。探してるんです、バイオリンを!
– 純粋に民謡には行かないのですか?
他のメンバー(ボーカル以外)が、さすがに民謡にまでは興味がないようで。。民謡、やりたいんですけどね。
– レコードは出てますか?
4年前に出したんですが、今は売り切れ状態です。でも今年はなんとか出します。出せそうです!
ってことだったので、天神橋筋商店街名物・演歌の品揃え日本一の「あこや楽器」さんを紹介して、この場をあとにしたのでした。
思いかげず、ええ時間でした☆

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