アンダーグラウンド・レイルロード

アンダーグラウンド・レイルロード。
ソウル・フラワー・ユニオンの新作「アンダーグラウンド・レイルロード」がついにドロップされた。
前作から4年半。
その間には、東日本大震災があり、反原発運動があり、ヘイトスピーチに対するカウンタームーブメントが起こった。
そういうものは、もちろん、きっちりと刻印されている。
アンチ・レイシズム、アンチ・ファシズムが貫かれ、そのうえで、世界中の音楽がミックスされた、極上のミクスチャー・ダンス・ロック&ソウル。
地下鉄道とは、アメリカ南部の黒人奴隷たちが、北部やカナダ、メキシコなどに逃れるために、支援者たちがつくったネットワークのことだ。19世紀初頭に形成され、もっとも盛んだったのは、リンカーンが奴隷解放宣言を行なった南北戦争がはじまる直前の1850年から60年にかけてと言われている。この10年のあいだに、「駅員」や「車掌」と呼ばれていた支援者たちによる草の根のネットワークの助けを借りて、3万人〜10万人と推定される数の奴隷たちが南部から逃れた。昼間は、「停車場」と呼ばれた支援者の家や施設に身を潜めて、夜、移動する。北斗七星を頼りに、歩いて北を目指した。このネットワークを、アンダーグラウンド・レイルロード、地下鉄道と呼ぶ。
そう。ソウル・フラワー・ユニオンは、いつだって、地下鉄道に乗る少年たちの側に立つ。
歌は心だし、パワーでもあるはずだけれども、重くならず、理想論や正論の理屈にも陥らないのは、小さきものが生きて立ち上がることへの圧倒的な励ましがあるからだ。一緒に行こうや、という、気持ちのいいダンス!
孤軍奮闘しながらも、あなたがあなたの現場で旗を掲げているかぎり、地下鉄道はそこに繋がる。
そういう音楽。
ドロップされた3日前から、ずーっと聴いている。
アルバムのトレイラー映像は、こっち。
http://youtu.be/WeSdg6hDsX4

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