つひまぶ2016.7月号「踊る北区号」ドロップしました

つひまぶ

思い起こせば、なにかのタイミングで、FBで、田中千晶さんとお知り合いになったのが最初でした。
たしか、4年くらい前の、お初天神の夏祭りだったような…。
ほどなくして、千晶さんは、お初天神の夏祭りで太鼓を打つのみならず、バリ舞踊の踊り手さんであることがわかります。
それから何年間か、FBでのみ、忘れられん程度に交流を続けてきたのでした。
いつかは、千晶さんのバリ舞踊を見にいきたいなあ、なんて思いながら。

ちょうど去年の今時分ですかね、千晶さんのバリ舞踊に接することができたのが。
ということは、FB上とはいえ、知り合って3年もかかってしまったわけです、実際に彼女のバリ舞踊を拝見するまで。
じつは彼女は、四ツ橋のバリ料理店「ウブド・スチ」にて、毎月第4水曜に踊ってはります。
それこそ、なにかの拍子で、FBで、明日踊ります!みたいなエントリをたまたま見て、えいやっ!と、訪れたのでした。
あらかじめ計画を立てて、というよりも、そーゆー、不意に見つけた、思い立った、今すぐ、みたいなんを、僕はわりと大切にしてます。計画を立てるのんが面倒くさいという生来の性格もあるのですが、そーゆー偶然は、なんか、目には見えない必然が重なり合った結果なんとちゃうか?という思いがあって、わりと、大切にしてます。

そのときに初めて拝見した千晶さんのバリ舞踊は、やはり、期待にたがわず絶品で、なんちゅーか、この人の表現は志が高いな、と、胸に刺さってくるものがあったのですね。

一度行ってしまうと、予定も頭に入るし、それからは、何度か彼女の踊りを拝見することになります。
つひまぶ編集部の魔王さんも、いつの間にか彼女の踊りのファンになってましたな。

これが最終的には、つひまぶ今号「踊る北区号」につながっていくわけですが、なにも僕は、ネタ仕入れのために行っているわけではなくて、自分の人生でドキドキワクワクできる時間、そこでしか味わえない豊かな時間を手に入れたくて、偶然の出会いを大切にしています。正確には、偶然が重なって出会ってしまったものは逃さない、ということ。
食べログとか見ないし、情報誌も読まないし、大切にしてるのは、信頼している人からの情報やったり、偶然が重なって自分のアンテナに引っかかってきたようなもの、こと、人。

つひまぶには、「キタと彼女のラブストーリー」という創刊号から続いているインタビューページがありまして、キタで活躍する女性に、一代記を語ってもらっています。
魔王さんが、田中千晶さんにそこに登場してもらいたい、と、こう言うわけです。ある日。
僕としてはもうちょっと醸成させたかった気がしないでもなかったのだけれども、まあ、でも、滅多にない編集メンバーからの自発的な企画の売り込みだったので、ほなそれでいこか、と。
ついでに、特集は「踊る北区」で。
この時点で、ネタは、田中千晶さんしかなかったわけですが、ほな特集もそれで行こか、と。

つひまぶの「踊る北区号」は、そんなところからはじまったのでした。

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写真:秦晴夫さん

キタ歓楽街環境浄化推進協議会でご一緒している難波啓祐さんと、とある深い夜、闇に吸い込まれそうなゲイバーでクダを巻いていたとき、難波さんから、とんでもなくぶっとんだ妙齢の女性の話を聞いたのでした。

その女性は、お孫さんもいる妙齢なのだけれども、自らのグラビアカレンダーはつくるわ、CDはつくるわ、経済団体の新年会では、歌手になりきって勝手に独演会をはじめてしまうわで、唯我独尊、勝手にスター街道をひた走る、なんちゅーか、抱腹絶倒、規格外、規格破壊、目が点の、とてもとても魅力的な女性なのです。繰り返しますが、お孫さんもいらっしゃる妙齢。
さて、世の中にはおもろい女性がいるもんだと話はここで終わりそうなものですが、終わらんのです。終わらずに、まったく関係ないところで、つながっていくのです。
場面は変わって、天神祭。天満宮の境内の一角。
そこでは、毎年、先頭に立って見事な龍踊りを踊っている、やはり妙齢の女性がいます。たしか、龍踊りは男性しか踊れないはずやと思うのですが、なぜか、先頭に立って踊っているのは、女性なのです。しかも、見事な踊り。
僕はこの人の踊りが好きで、毎年、必ず見ることにしていて、写真にもよく撮っています。カメラのファインダーを覗くと、自ずとフォーカスは彼女に合わせてしまいます。艶やかさと迫力の両方を兼ね備えた、素晴らしい踊りで、見ていて惚れ惚れするのです。天神祭にあっては、僕のなかでは、彼女こそスターです。
で、びっくりするのはですね、この、天神祭で龍踊りを先頭切って踊り、長年僕を首ったけにしている女性はですね、難波さんのお知り合いのぶっとんだ妙齢の女性、とある深い夜に闇に吸い込まれそうなゲイバーでクダを巻きながら話してくれた妙齢の女性と、同一人物なのですよ。いやー、そうとわかったときは、たまげたというか、納得というか。
そもそも、女性入るべからずの龍踊りにあって、彼女が踊っていることそれ自体が、規格外です。唯我独尊です。それは私生活での彼女の振る舞いと、一直線でつながっているのです。それがあっての、あの、艶やかで華やかで迫力のある踊りなのだと、妙な納得を覚えます。
地車講の小西登紀子さん。そんなわけで、彼女の踊りもまた、僕の宝物のひとつです。

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阿波踊り。
僕は、阿波踊りを見たことがありませんでした。
4年前、天神橋筋商店街で見るまでは。
4年前から、天神橋筋商店街では、商店街を阿波踊りが踊り歩くイベントが夏に開催されています。ゴールは天満宮境内で奉納踊り。
女踊りでの襦袢を着て踊るさまは、なんと艶っぽい!こんな艶っぽい踊りがあっていいのか!と言いたくなるほどで、それはそれは素敵で、見惚れてしまいました。緩急のある2拍子のリズムがまたよくてね。
シアターブルックのサトウタイジくんが、普段はファンクの横ノリでグイグイやってるくせに、祭りのときは徳島に帰って阿波踊りやると言ってたけど、その理由が少しわかったような気がします。ファンクにも阿波踊りにも、気持ちのいいグルーヴやバイブスがありますね。踊りたくなる空気とその振動がつくりだす、うねり。
聞くと、大阪にも阿波踊りの「連」がたくさんあるのだそうです。なかでも、「大阪天水連」は、段違いの上手さです。美しく揃っているし、女踊りはかぎりなく艶っぽいし、グルーヴがとっても気持ちいです。
今では、「大阪天水連」の阿波踊りを見るのは、毎年の夏の僕の楽しみのひとつになっています。

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oioiを初めて見たときの衝撃を、僕は忘れることができません。
毎年2月に中崎町のまちをあげて開催されるキャンドルナイトのイベントで、彼らはステージに立ったのでした。
耳の聞こえない人たちが、手話を振り付けにして、歌います。
考えてみれば、手話というのは、言葉の意味をボディランゲージで表現したものです。一方で、歌の振り付けは、歌詞の意味からインスピレーションを得たもので、歌詞への理解を補助的に助けている存在だと言えます。
つまり、似てるんです。手話と歌の振り付けは。
そのことに気づかせてくれたのが、oioiでした。
よく、耳が聞こえない、障がいを持っているのに、すごい!って声を耳にすることがあります。ありますが、僕は、そんな意見には与しません。
エンターテイメントにはそんな言い訳は不要。いいものはいい、ダメなものはダメ。それだけです。
あるとすれば、スティービー・ワンダーがそうであるように、レイ・チャールズがそうであったように、それが他人とは違う個性となり、そのことで特別な才能が宿ること。
oioiのステージは、歌の振り付けに手話を持ち込み、新鮮なステージを僕たちに見せてくれる点にあります。
僕は、そんな発見が嬉しくて、いっときは彼らの追っかけをしていたほどです。

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巻頭を飾ったのは、中崎町にある「Salon de AManTo 天人」のオーナーにしてダンサーのJunさん。
この人を外すわけにはいきません。
日本中にその名前が届くほどになった現在の中崎町の原型をつくったのは、この人ですね。
最初に天人に行ったのは、たぶん、10年近く前。
まだ、狩野さんや山納さんたちが中崎町をメインエリアにされていたころで、天人はそのころに行ったな。夕方に行くと、学校帰りの子どもたちが店内を遊び場にしていて、なんとまあ、オープンな空気が流れていたのでした。
Junさんって、そんなオープンな天人の店内の空気そのものみたいな人で、活動全般が、その空気感で包まれています。
僕自身はマグロ回遊型で真逆だけど、Junさんが放つ空気感やバイブレーションは、これはもう、まちがいなく北区の魅力のひとつです。
そこをね、ちゃんと伝えられたらいいな、と。

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つひまぶ「踊る北区号」でダンスを紹介していくことになって、僕の頭に真っ先に浮かんだのは、こんな人たちです。
どれもこれも、偶然が重なって、さも必然であるかのようにして、知ることとなった人たち。
会ったことがある人もいれば、ステージを見続けている人たちもいます。
僕の心に沁みた人たちなのだから、僕にとっては、この人たちは、とっておきの「北区の魅力」なのです。
つひまぶではいつも、そんなふうにして、出会ってきた魅力的な人やモノを、これ素敵でしょ!と紹介しています。ついでに、雑誌をつくっている役得として、じっくりとお聞きしたいことを話していただく、という素敵な時間をもらっています。

本庄や豊崎には、沖縄出身の方がたくさん住んでおられます。
ということは、沖縄文化がそこにはあるはずで、「もーあしび」が大好きな彼らのこと、歌舞音曲を持ち込まないわけがないのです。
そんなことを考えながら、グルっと見わたしてみたら、ブログ「梅田の北っかわ」さんの記事で、昨年の夏によと崎神社の夏祭りで中津を拠点にして活動するエイサーのグループ「やぁにんじゅ太鼓 OHANA」がいると知ることになるのでした。
大阪と琉球や奄美をリンクさせる話をはじめ、聞いてみたいことがたくさんあるじゃないですか。また、阪神間は長らく琉球文化の関西の拠点でもあるので(大工哲弘さん!)、大阪と琉球がクレオール化している可能性だってあります。はたして、そこまで突っ込んだ話ができたかどうかは、記事をご覧いただいてのお楽しみ。

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あとはねー、北区には中之島に中央公会堂という至宝とも呼ぶべき建築があり、ここを舞台にしたダンスがあるはずだと思ってリサーチをしていくと、ありますね。
ひとつは、「天満天神ダンス&バレエ・フェスティバル」
天神橋筋商店街の重鎮さんから強力なプッシュがあり、いろいろとお話を聞いていると、その志の高さに度肝を抜かれました。世界とダイレクトにつながっているというか、バレエダンサーを目指す子どもたちが世界の舞台にログインできるための道筋をつけるための活動をおこなっているのが、天満天神ダンス&バレエ・フェスティバルです。

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社交ダンスも、リサーチもしてみると、とんでもない活動量を誇る西日本最大級の団体「ロイヤルダンス同好会」と出会うことができました。いやー、映画「Shall we dance?」さながらの世界です。僕にとっては完全にアナザーワールドで、すげーすげー!の連続でした。個人的には、大発見でしたね。

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最後は、ご存知の人はご存知、北区いきいき音頭の踊り方講座を誌面で。実用的なものになっているのかどうかはわかんないんだけど、踊りの名手・後藤先生の踊りを写真で見せることができてよかったな、と。
こういう音頭が北区の魅力なのかどうかはわかりません。ただ、こういうものは、みんなが踊ることで魅力にしていくものだと思うので、どうしても取り上げたいと思ったのでした。

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とまあ、こんなふうにして、この「踊る北区号」はできあがりました。
これは音楽特集のときにも書いたのだけれども、北区には歴史的な奥行きと大都市ならではのエンタメ・インフラが充実する一方で、じつに数多くのジャンルのダンスがタコツボ的に点在しています。意欲的で、(伝統回帰も含めて)先鋭的で、純・ダンスで、ダンスを次の段階のものに押し上げようとするもの、世界とつながっているものを、あちこちで見ることができます。
しかもそれらは、ブラジルやキューバ、アイルランドのように、その土地のローカル文化に特化しているわけではなくて、雑多で、批評精神があって、それぞれがときに有機的に絡み合ったります。それこそが、キタのダンス・シーンの最大の特徴で、それらは、今後もますますグローバル化していくだろう世界のダンスの、ひと足早い未来の姿を垣間見せているとすら言えます。
でも、そういうものを、ひとくくりにして紹介したメディアは、これまでありませんでした。少なくとも、僕は知りません。
こうやって、それらをひとつにして紹介することができて、できあがったものをつらつらと眺めていると、いいシーンだなあ、と、つくづく、この場所の大きな魅力を感じます。
ダンス教室は北区内にはたくさんあります。
そうした教室の隆盛が支えているのはまちがいないとは思うのだけれども、その先頭に立つ、ダンスそのものがキタを魅了している、そんなものを中心に紹介しました。漏らしたものもたくさんありますが、こうやって総覧してみると、いいシーンだなあ、と、つくづく思います。
相変わらずのモノクロ誌面だけど、結構、極彩色ですね。

ぜひぜひ、読んでみてください。
北区役所、北区民センターほか、いろんなところに置いています。
詳しくは、つひまぶブログの右サイドバーをご参照あれ。
PDF版もあるよ。

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