TJWK 2020年度決算のご報告

傷ついた東日本をニットでつないで支援するThink Of JAPAN While Knitting関西(TJWK関西)
https://atricot.jp/tjwk/
10年目の活動を無事に終えて、今年も、あしなが育英会に売り上げの全額を寄付してまいりました。
これまで通り、全額を、東日本大震災で親を亡くした震災遺児のために使っていただきます。
毎年、小切手にして、甲南山手の神戸レインボーハウスにお邪魔し、皆さんでこしらえた浄財を直接手渡しすると同時に、震災遺児支援活動の近況などもお聞かせいただいています。
昨年は、全国レベルで緊急事態宣言が出ていたこともあって、直接お持ちするのではなく振り込みにしました。今年も(信じられないことに)そのときと状況は大きく変わっていないですが、2年空くのはイヤなので、直接お邪魔しました。2年空けたくないというのは、僕にとっては「要」で「急」なことです。
あしなが育英会では、新型コロナウイルスの感染拡大によって減収し、毎日の生活に困っている遺児家庭を支援するため、全奨学生を対象に、15万円の緊急支援金の給付を決定し、実施しています。昨年は、4月に緊急給付を決定して、その4月中に送金をすべて完遂しています。たしか、そのあとで、もう一度、同じような給付を追加でおこなっているはずです。4月の学費の納入に間に合うように、正月の餅代に困らないように。遺児たちの目の前に立ち塞がっている困難を具体的に想像しながら、驚くほどの機動力とキメの細かさで、支援をおこなってくれています。
10年前の東日本大震災のときも、その機動力は素晴らしいものでした。あしなが育英会の職員と大学生ボランティアがチームを組み、各地の避難所をまわり、1人ずつ震災遺児を見つけ出し、あなたに給付金を支払う!と告げてまわっていたのです。同時に、あしなが育英会ではそういう制度を用意しているので震災遺児に伝えてほしいと、学校の体育館、福祉施設、公民館、漁村センターをまわり、拡散を促していました。
申請主義の行政では見ることのない、攻めの支援を、10年前も、今も、あしなが育英会はおこなっておられます。
東北の沿岸部全域(もちろんそれだけではない)を、人海戦術でまわって、遺児を1人ずつ見つけ出すって、並大抵の情熱ではないですよ。
TJWK関西に集まったみなさんのお金と思いのすべては、そういう活動を続けておられるあしなが育英会に、一粒も取りこぼすことなく、まるごと、預けてきました。
TJWK関西は、あしなが育英会に対して、私たちのお金は震災遺児支援に使ってくださいと明確にお願いしています。今は、遺児たちに給付金の支給や無利子での学費の貸与などに力を注いでいるので、そうしたところにTJWK関西のお金も使っていただいています。
コロナ禍で人と人とが直接触れ合うことが困難となり、震災遺児支援活動にリモートを取り入れたりと、模索しながら活動が続いているようですが、あしながさんはきっと、支援の最適解を出しながら活動してくれているものと信じています。
今年、子どもたちの言葉をまとめた作文集『お空から、ちゃんと見ててね。 – 作文集・東日本大震災遺児たちの10年』が、あしなが育英会の編集で朝日新聞出版より発刊されました。10年という時間の中で、子どもたちが何に悩み、傷つき、力を得て、前を向き、歩き、転び、走ったり立ち止まったりしたのかがわかります。また、素直で芯の強い言葉が綴られていて、読み進めていると、感情が揺さぶられます。
寄付を終え、決算をおこない、監査を受け、決算書を作成することができ、これをもってTJWK関西の2020年度の活動を無事に終了させることができました。
今年度は、
278点の作品をお買い上げいただき、
現金のご寄付、銀行預金利息を含めますと、
831,101円
を寄付することができました。
詳しい決算書は、PDF版をHPに掲載しています。
意外に思われる方もいるかもしれませんが、作品をお買い上げいただいた総額は、一昨年より昨年、昨年より今年と、この3年、増え続けています。
なお、初年度からの累計の寄付総額は、
10,632,304円
となり、10年でなんと1000万円を超えました。
金額の大小で活動の価値を計ろうとは思いませんが、それでも、1000万円という数字に達したという事実は、感慨深いものがあります。ここに至るまで、泣きも笑いも、怒りも悲しみも歓びも、ほんまにいろいろあったから。つくづく、続けるということは大変です。何回もやめようと思ったし、今も、やめたい気がないわけではないです。それくらい、続けるということは大変です。でも、やめずに続けてきたからこそ、辿り着いた数字やしね。
かかわってくださっているすべての方々に、本当に、本当に、感謝いたします。
来年度も、みなさんとともに変わらぬ活動ができたら、とっても嬉しいです。

以下、今年度の決算書に掲載した、TJWK関西代表の笹谷史子からの挨拶文を転載します。

Think Of JAPAN While Knitting 関西(TJWK関西)では、2021年3月末日で10度目の決算をおこない、2020年度の売上総額831,101円をあしなが育英会に寄付いたしました。
TJWK関西の活動も10年目を終えることができました。その間、作品の企画製作管理、会計などの内向けの作業を笹谷が、展示販売イベントの企画、ホームページやリーフレット制作など販売企画・促進など運営業務をルイスさんが中心となって担い、さらに、毎年300~400点もの新作を仕上げるニッターさんたちをコアなメンバーとして、多くの仲間たちと一緒に活動してきました。
震災から10年ということで、ニュースでも久しぶりに被災地の話題が取り上げられたこともあり、いつも展示販売のイベントをしてくださっているところでも、例年以上に購入してくださる方が増えました。J:COMのニュースやNHK Eテレの「すてきにハンドメイド」など、大手メディアで紹介していただけたことも、10年とは無関係ではないと思います。オンラインでの注文も、久しぶりに賑わいました。
また今年度は版画・シルクスクリーン作家の秦まりのさんのテキスタイルとTJWKモチーフのコラボレーションが実現したことをはじめ、マルシェの参加や新しく常設で展示販売してくださるお店、展示販売イベントを引き受けてくださるお店がいくつも手を挙げてくださり、コロナ禍にも関わらず、たくさんの新しいご縁に恵まれた一年でした。
新しいご縁をいただくことは、売上増につながるのはもちろんのこと、私たちへの新しい刺激につながります。その刺激が、作品のアイデアを湧き起こしたり、気持ちを新たにさせたり、活動を続けるモチベーションになるのだということを、つくづく実感した一年でもありました。
また、ありがたいことに今年度で売上の累計が1000万円に到達しました。500円のポーチなど年々単価が低くなっているので、本当にたくさんの方がこの売上につなげてくださったんだなぁと感慨深かったです。
続けることがつらい時期もありましたが、メンバーが蒔いてくれた種が何年越しにパッと咲いたというような、奇跡のような必然のような不思議な出来事が重なって、今はもっと続けてみたいなという気持ちのほうが大きいです。10年目で観る景色はきっと違うのだろうと思って活動してきましたが、おかげさまで想像以上に素晴らしいものでした。コロナ禍でまだ不自由な生活は続きますが、携わっていただいた方の思いが震災遺児の子どもたちの成長の一助につながるよう、来年度も粛々と手を動かそうと思います。
最後になりましたが、展示販売にご協力いただいたBeans Cafe & Gallery 片岡さま、奈良・駅前優しい地球人のマルシェの主催者さま、beinelmilelさま、Puolukka Millさま、da-naさま、常設で販売してくださっているtimeblueさま、orioriさま、ハンドメイド・ラピスさま、寺子屋きものさま、展示に協力いただきましたりそな銀行南森町支店さま、キット販売にご尽力いただいている愛媛道後カトリック教会の有志のみなさま、もはやTJWK滋賀県蒲生郡日野町支部長と言っても過言ではない西河佳子さま、糸の寄付をいただいたモンドフィル株式会社さま、チャリティイベントで展示販売とモチーフサーキットを開催してくださったkeitoさま、そしてブランケットミーティングのメンバーのみなさま…、さまざまなかたちで多大なるご協力をいただいきましたすべての方に感謝いたします。どうか11年目もあたたかく見守っていただければ幸いです。

TJWK
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