TJWK@日野の農家民泊

今回の日野遠征でアテンドのほとんどを仕切ってくれた西河さんの計らいで、農家民泊に泊めていただくことができた。
日野町では、修学旅行生や海外からの留学生たちの農業体験宿泊を積極的に受け入れていて、食事をともにつくり、食べ、農村生活を体験してもらう、というプログラムを提供している。学生を中心に大阪からも多くの人が利用しているらしい。
僕の場合は、宿に着くなり、近くのお寺に連れられ、鐘を撞かせてもらった。夕方の5時だったので、暮六つだから6回撞くように、と、言われ。中学校を卒業したところだというお寺の息子さんが見本に1回撞いてくれ、僕もそのあとに続いた。
お寺好きなので、僕も鐘を撞いた経験はたくさんあるけれども、一度に何回も撞くということはなくて、それだけでもなかなか珍しい体験だった。
そのあと、宿(家?)に戻って、食事づくりを手伝うことになるのだけれども、せっかくなので僕はランニングがしたかったので、食事づくりは遠慮して、ランニングウェアに着替えて、田んぼ道を小一時間ほど走ったのだった。景色は開けているし、自然のなかだし、信号はないし、人も通ってないし…、久しぶりにとても気持ちがいいランができて、毎日でも走りたい道だと思えるほど、気持ちがよかった。
戻ると、食事ができていた。
鯖のなれ寿司。フナのなれ寿司は食べたことがあるけれども、それほど得意ではない。鯖のなれ寿司など聞いたこともなかったけれども、これは僕は好きだ。美味い。
脂がない赤身だけなので、ボタン鍋にはなっていないイノシシ鍋には、信じられないくらい太いヒラタケが入っている。こんにゃく芋を擦ってつくられたコンニャクは滑らかで舌触りがいい。他、琵琶湖のスジエビと大豆を炊いた郷土料理、味の滲みた焼き豆腐、ヤーコン、芽キャベツのような新種の野菜とベーコンのバターソテー…。
半分も食べられないに決まってじゃないか!というほどのボリュームの料理がテーブル狭しと並べられ、要するに、商売は二の次で、日野の料理は美味しいからこれも食べて!という愛しか感じない食卓なのだ。
食事が進んでいくうちに、日野の歴史や風習についての話になる。幸男さんと紀美子さんご夫妻は、語り継がれてきたこの地のことを次々と話してくれる。
伊勢大神楽に興味があるといえば、お札とともに、獅子舞が門付けに来て舞ってくれた様子の動画を見せてくれる。そう、70歳をとうに超えていそうなご夫妻だが、iPadもエクセルもパワポも使いこなす、なんでもできる人たちなのだ。味噌も手づくり、豆腐も手づくり、というだけではない。エクセルやパワポを駆使して、チラシも手づくりしてしまうスーパーな人たちなのだ。
夜は夜で、ナイトサファリに行こう!と、車を出してくれた。どこへ行くのかというと、夜、野生の鹿が出没するスポットに案内してくれて、駆ける野生の鹿の姿を見せてくれた。
勧請縄に興味があるといえば、勧請縄が吊るされているところへも連れて行ってくれた。
僕は若い頃、リュックひとつ担いで世界中をウロウロしていたが、その国の印象を決めるのは、その土地の人と、どんな触れ合いをしたかに尽きる。
数字的にはどんなに素晴らしい国であっても、そこで出会った人たちの印象が悪ければ、僕にとっては、その国はいい国ではない。その土地は、いい土地ではない。
そういうことを、思い出していた。
自然と触れ合うことも大切だし、その土地の生活の営みの一端を知ることも大切だと思う。
受け入れる農村にとっても、地域の資源を活用することによって活性化を図る機会ともなるかもしれない。それは、地域づくりを活発化する効果を生むかもしれない。
さまざまな狙いはあるだろうけれども、自分のバックパッカー時代の体験と重ね合わせてみると、こうしたプログラムは、人の心を動かすのではないかと思える。
幸男さんと紀美子さんの人柄によるところがあり、属人的な部分もあるかもしれないが、オープンに接してもらえることで、訪れる僕たちの心を動かすものになっているように思えて、とてもいいものだと思ったのだった。
うん。この試みは、とてもいいものです。
西河さん、ありがとう。
幸男さんと紀美子さんにも、改めてお礼の手紙を書こうと思うし、これから何度も訪れようと思っています。
そう思わせ、日野のファンをつくることに大成功しているプログラムだと思った、ということも、最後に付け加えておこう。

日野:ぶんべえ(2020.2.15-16)
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