「銀二貫」が、来春、NHK大阪でTVドラマ化

銀二貫

銀二貫

大阪の書店員と販売会社が、大阪人にほんまに読んでほしい本を選んだ「OsakaBookOneProject」の第1回受賞作、高田郁の小説「銀二貫」。
小説の舞台となったmapもあちらこちらで配られ、巷にちょっとしたブームを巻き起こしてますね。
この「銀二貫」が、来春、NHK大阪でTVドラマ化されます。
2014年4月10日(木)放送開始予定。毎週木曜20:00〜20:43、全9回です。
http://www9.nhk.or.jp/dramatopics-blog/7000/172689.html
出演は、
松吉:林遣都
真帆:松岡茉優
真帆の子ども時代:芦田愛菜
数馬:石黒賢
玄武:風間俊介
善次郎:塩見三省
和助:津川雅彦
語り(狛犬):山口智充
ですと。

んで、音楽が、なーんと、サキタハヂメ!
「はじめにきよし」でミュージックシーンに登場したときの衝撃も忘れがたいですが、今では、ミュージック・ソー(のこぎり音楽)の第一人者として有名ですな。
彼もまた、大阪が世界に誇るミュージシャン。
役者の配役はわかりませんが、音楽担当のチョイスは完璧です☆
この物語は、江戸後期、天満一帯を焼失させた大火事「天満焼け」から話ははじまります。
江戸時代の大坂・天満を舞台にした、寒天問屋に奉公に入った少年の成長と大坂商人の生きざまを人情豊かに描いた、涙とペーソス溢れる物語です。
手管の物語もさることながら、当時の大坂・天満の様子が生き生きと描かれています。これ、ドラマで再現されるのが待ち遠しいですね。
この時代の天神橋は今よりもはるかに勾配のきつい反橋であったこと。
天満橋は武士が通り、その武士との無用の争いに巻き込まれたくない賢い商人たちはわざわざでも天神橋をわたったこと。
八軒家浜には過書船や三十石船がたくさん出入りしていたこと。
京と大坂を結ぶ船は川の流れの関係で下りのほうが半日早く、そのぶん船賃が倍だったこと。
天満青物市場の様子。
そして焼けた天満宮の再建普請の様子。
順慶町(今の南船場)あたりの当時の賑やかな様子。
天満から大川にかけての当時の風景がありありと浮かんできて、天満天神のガイドブックとしても読めてしまいます。
その様子を、ぜひ、ドラマでも見せてもらいたいもんです。
興味深いのは、物語全編を貫く、大阪商人の心得「始末、才覚、神信心」。この3つなくして店は大きくならないのだけれども、神信心がどういうものなのか、この物語ではきっちりと描かれています。人への愛情、仕事への努力、そして生きかたの誠実さが、この「始末、才覚、神信心」を通じて、描かれています。
そうした、物語の登場人物の内面や小説の行間も、ドラマではぜひ感じさせてほしいもんです。
ところで、当時の銀2貫はいくらくらいなのか?
調べてみると、当時の銀2貫の価値は33両。
1両がおよそ4万円として、132万円になります。
計算の仕方はいろいろあるんですが、おおよその目安として、それくらいの相場です。
このオカネこそ、大坂天満の寒天問屋、井川屋の主人が焼けた天満宮再建の寄進のために用意したオカネです。個人でそれくらいのオカネをそういう商人が、当時はたくさんいた、ということです。
NHKの朝ドラ「ごちそうさん」も、今週は天神祭の様子が出てくるとか。
再び、天満天神ブームが来てそうなかんじですね。

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