『ゴンド・アート』

インド中央部のマディヤ・プラデーシュ州を中心に脈々と住み続けてきたインド先住民族のバルダーン・ゴンド族。
ゴンド族のトライバル・アート(部族の伝統的な絵画)を中心に、タラブックスがその魅力を発信し、日本で静かなブームが起こったのが5年ほど前。
もともとトライバル・アートが好きなので、僕はすっかり魅せられてしまい、結構高価なタラブックスを何冊も買ってきた。
この1、2年はすっかり落ち着いていたところ、タラブックスとはまったく違う角度からゴンドアートの本が出て、本屋さんで不意に出会って、即買いしてしまったな。ずばり、『ゴンド・アート』。

手漉きの紙でもシルクスクリーンでもないが、製本に工夫が凝らされていて、糸がかりで綴じて、花切れをなくして、背と本文を分離させている。見返しに使われているターコイズグリーン、カバーを外したときに見える文様など、細部にまで目配せが効いていて、画集そのものがひとつの芸術作品のよう。生成りに近いニュアンスのある紙にプリントしてあるので手触りも良く、マテリアルとしての満足度が高いのがいい。

想像上の生きもの、動植物、村の生活とその営みのなかで使われる楽器や道具、自然の中に棲む神々、民族に伝わる寓話などが描かれ、ページをめくるたび、幻想的な世界が展開される。
植物や動物が奔放に絡み合い、豊かでユニークで、構図は大胆でパターンは繊細。
バルダーン・ゴンドの神々は、日本の八百万の神にも似て、とても豊かだ。

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