なんかすごいもん見たな。
彫刻家・安藤榮作さんの個展「約束の船」@奈良県立美術館は2度目の来館なのだけど、今晩はパフォーマンスがあるので、いそいそと。無料とはいえ、先着100名がソッコーで埋まったらしい。

訪れると、いねこさん親子、そしてネコさんに会う。ネコさんとはじつはリアルで会うのは初めてだが、なんとなく今日は会えるんじゃないかと思っていたのは、ネコさんがトークに登壇すると思っていたから。そしたら違って、登壇されるのはまた別の日らしい。

1階のエントランスの火の鳥みたいなあのオブジェ前で待っていると、来館者に紛れたふうで、ウタウタイの玉井夕海さん(渋さ知らズ!!)が、澄んだ声で歌いはじめる。ヨーイドン!ではなく、おもむろにはじまる。
やがて、取り囲む来館者を引き連れて、エントランスの階段を上り、ワシらを誘う。巫女さんのようであり、もののけ姫のコダマのようである玉井さんが、こっちこっちと、静かに優雅に、ワシらを誘う。やがて、パフォーマンスの会場となった「宇宙の理〜魂の帰還」と題された展示スペースへ誘われる。ハーメルンの笛吹きならぬ、ウタウタイ(笑)

安藤さんの作品はどれも、野蛮さと聖性を同時に宿したような作品群で、緊張を孕んでいるのに静謐さが保たれていて、聖性としか言いようのないものだ。
身体の中心部で何かが発熱するのだけど、その後、浄化された感覚に襲われる。

そんな作品群の中で、玉井さんの澄んだ声が響く。鳥の鳴き声のようでもある。
やがて徳山美奈子さんの繊細なタッチのピアノが響く。リズミカルだし、力強くもあるが、とても繊細なタッチだ。これもまた、いい。
そこに、安藤さんが斧を振り下ろし、木に撃ち込む。時空にリズムを刻む。句読点を打つように、力強く、斧を振り下ろして、刻む。
木屑がそこらじゅうに飛び散る。楠のツンとした香りが会場に充満する。
会場にいた赤ん坊が、玉井さんの声に呼応する。神様に最も近い存在の赤ん坊が、巫女であるかのような玉井さんと呼応し、なにかを交感し、交歓している。いいライブだなぁ。
ライブパフォーマンスが終わる頃、安藤さんが振り下ろした斧によって刻まれた楠から、人の姿が現れる。作品が完成する。

トークショーを挟んで、最後、皆で、作品「約束の船」を取り囲む。敷き詰められたヒトガタを2体、思い思いに手に取り、コン、と叩いて、音を出す。思ったよりも高い音が出る。取り囲んだみんなで、順番に音を出す。一巡した後は、「今度は、ヒトガタが痛がっていない音、気持ちいい音を探して叩いてみましょう!」とお題が出て、またまた順番に叩いて音を出す。今度はみんな、隣の人の音をじっくりと聴いて、自分の音を出す。そして次の人に音のバトンを渡す。命が、魂が、つながった。

なんといいライブ!
いい時間。
帰りは雨だったけど。
https://www.pref.nara.jp/69828.htm

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