『屋上のペーパームーン』

『屋上のペーパームーン』

この春は立て続けに演劇のチラシを制作させていただく機会に恵まれて、(ていうか一紅さんがどういうわけか僕を買ってくれた)、ほんとは綾部の郡是創業者・波多野鶴吉とはな夫妻の物語の朗読劇『綾の糸撚る』が先にあって、その後、この『屋上のペーパームーン』のお話をいただき、話がすいすいと進んで先に完成したので、ワシの演劇チラシ最初の仕事はこちらになるかもしれない。

昨日から心斎橋のウイングフィールドで公演がじまっている。
ワシは千秋楽の最後の公演に行くつもり。

SNSにあげてもいい写真が公開されていたので、アップしてみた。


くじら企画が上演する『屋上のペーパームーン』は、劇作家・大竹野正典による戯曲で、1973年に大阪で実際に起きた「ニセ夜間金庫事件」をモチーフにしている。2007年に上演され、以後、かたちを変え、キャストを変え、幾度となく上演されてきた作品だ。
大阪の雑居ビルの屋上に集まった、わけありの男たち。
社会から少しはみ出した彼らの目的は、偽の夜間金庫を使った一攫千金。
だが、計画はどこかズレていて、
騒動が絶えない。
ずさんな計画、見せかけの絆、
くだらないプライド…。
すべてがチグハグに交錯し、
夜の屋上に、薄く儚い「ロマン」が浮かび上がった。
笑っていいのか、泣いていいのか。
月は彼らを見下ろしていた。
まるで、
紙でできた偽物の月のように。


報われない日々、変わり映えのしないつまらない日々を脱して、一発逆転を夢見る。
現実は、そんなに劇的な展開を滅多なことでは許してくれないけれども、
そのなかで、かっこよさや希望を捨てずにいようとすること自体は、もはや一種の美学ともいえるのかもしれない。
だからこそ、その悲哀には、単なる「かわいそう」ではすまない、社会構造への問いや、生きづらさに対する深い共感が生まれるのだと思う。
かっこ悪くても、負けっぱなしでも、それでも生き続けるという姿に、希望のタネがあってくれと思う。
そういう男たちをワシは嗤うことなどできないどころか、愛おしく思う。
今回の仕事をいただいて、台本を読んだとき、そんな愛おしさがあったな。
一見、ピカレスクロマンな作品なのだけれども、そのじつ、そんな、愛おしいペーソスが感じられる作品だと思います。

ええかっこしいのくせにジタバタして、現実を見ず、ロマンだけはたっぷりあって、それでもなお、生きねばならんから生きていこうとする人たちの物語。
弱肉強食の今のこの時代、自己責任とかほざいている人たち。
人生も世の中も、そんなもんでまるっと収まるほど単純なものではないんやで。
ということが、よーく分かる深めの作品。

明日の千秋楽で会おうぜ!


日時:9月26日(金)〜28日(日)
会場:ウイングフィールド
(大阪市中央区東心斎橋2-1-27 周防町ウイングス6F)
チケット取り扱い(予約:こりっち)
https://ticket.corich.jp/apply/377533/
くじら企画
https://www5c.biglobe.ne.jp/~kujirak/


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