「さほ 春の朗読祭2026 〜声と身体で物語に命を吹き込む〜」

「さほ 春の朗読祭2026 〜声と身体で物語に命を吹き込む〜」

「さほ 春の朗読祭2026 〜声と身体で物語に命を吹き込む〜」に行く。
佐保川を歩くのは2年ぶりくらいだが、桜の時期じゃない佐保川となると、20年ぶりくらいかもしれん。
奈良でも好きな道で、小栗さんもこの道が好きだとのことで、奈良県立図書情報館へはこの道を通われてきたのだろう。
川筋の樹々のあいだを小風が抜けていって、葉がざわめく。木漏れ日が細やかな影を落とす地面をざっざっと音を立てながら歩く。誰もいない。贅沢な時間だ。
奈良県立図書情報館で毎年開催される朗読ワークショップに参加された有志が、今日この場で発表するのだ。
小栗 一紅 さんが全体の構成を担当され、Yusuke Inookaさんが舞台監督で、嶋田 裕司さんが写真・映像撮影で、増田隆さんが協力に名を連ね、出演者には後藤小寿枝さん、小室千恵さん、柴垣啓介さんの名が。
ワシにすれば、昨年の綾部での「綾の糸撚る」以来の、あの界隈の方々が勢揃いである。
僕が観覧した15時の回のプログラムは以下の通り。
紙芝居「行基さん」
「万葉集」
「老いてなお」
「なめとこ山の熊」
「雨ニモマケズ」
「くノ一タイムスリッパー 中将姫編」
「なめとこ山の熊」は、僕も小栗一紅さんの音読読書会で、朗読したことがある。そのとき、熊の表紙を自作した。
今回は、後藤小寿枝さんが朗読された。
小寿枝さんは昨年、くじら企画の「ペーパームーン」で演出をされた方で、ワシはチラシをつくらせていただいた。
だからプロなので、僕の朗読と比べてはいけないが、プロの朗読は情感たっぷりでビジュアルが立つな。すごい。
奈良でやるのだから、奈良が舞台のものや奈良を題材にしたものが多いのがいい。
グッときたのは、「くノ一タイムスリッパー 中将姫編」だ。
ちょうど、今月の頭に當麻寺に桜を見に行ったばかりだったので、おおっ!となった。
ちなみに、今年は行かなかったが、練り供養は何度も見ている。
上演後に小室千恵さんと少し話したのだけど、
神格化された中将姫ではなく、普通の女性としての中将姫を描きたかったと、おっしゃっていた。
そういう物語になっていたし、それがよかった。
ワシも仏像ぐるりで、善財童子や玄奘三蔵を、何かを追い求める旅人として紹介してきた。
厳しいリアリズムの中で、悟りや西天取経というファンタジーを追い求める、心にミッキーマウスを抱いた人として紹介してきた。
神格化された歴史上の人物を、血や汗の通った人間として、ワシらと同じ地平に立つ人として捉えることで、自分の手元に引き寄せようとする理解の仕方は、とっても好きだ。
小室千恵さんや柴垣啓介さんが表現した中将姫の物語も、そういう表現だった。
というかんじでいい時間を過ごして、
帰路、雨が降りそうで降らない、少し湿気を帯びた佐保川の道を歩いて駅に向かったのだけど、この時間がまたいい余韻を残してくれて、よかった。
関係された皆さん、お疲れさまでした。
ええ時間でした。

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