綾の糸撚る

朗読劇『綾の糸撚る』

綾部土産の、繭をかたどった最中。思いの外、美味い。
黄色い繭が白あんで、白い繭がこしあん。
こういう、地域の産業や歴史にちなんでつくられたお菓子は何と呼ぶんだろうか?
ご当地菓子?
郷土菓子?
特産品菓子?
産業記念菓子?
ま、呼び名はいろいろあるんだろうが、綾部には、繭をかたどった最中が、駅前の観光案内所で売られている。
自分用に買ってかえり、家でパクッとな。美味い。

京都府北部の綾部市は、かつて養蚕業が盛んだった。
その背景のもと、明治時代に地域の蚕糸業を支える製糸会社が創業し、長らくこの地の経済を担ってきた。
国をより良くするための方針を「国是」、会社をより良く発展させるための方針を「社是」と呼ぶように、綾部(丹波国)の何鹿(いかるが)郡を発展させるために、製糸会社「郡是(グンゼ)製絲株式会社」が創業された。ワシらが知っている肌着メーカーの「グンゼ」のルーツ。

創業者の波多野鶴吉は、妻・はなと二人三脚で困難を乗り越え、綾部の蚕糸業を立て直した。
数学への挑戦と挫折、教員時代の貧困、地域復興への志、共存共栄の精神、教育への情熱、安田善次郎らとの協働、キリスト教への信仰、そして火事ですべてを失う悲運…。彼の生涯は紆余曲折に満ちていたが、その歩みは豊かで実りあるものだった。

綾部には、鶴吉とはなの「仲間と技術を育み、未来を拓き、地域をよりよくしようとした」宝物のような物語がある。
この物語を、市民参加による朗読劇『綾の糸撚る』(作・演出:小栗一紅)として上演する。

人口流出が進み、地元の人たち自身が「綾部には何もない」と口にする現状があるなか、「まゆまゆの会」が立ち上がり、歴史や魅力を伝えることで、地域の誇りや郷土愛を育もうと企画されたのが、この朗読劇だ。

ワシも梅田のまち歩きを通じて、地域を知ることこそが地域を愛することにつながると、知っている。
知ることと好きになることは、両輪だから。

綾部の人たちもまた、朗読劇を通じて、綾部の歴史と誇りを次の世代へつなごうとされている。
小中高生たちが観劇後、「こんなすごい人たちが綾部にいたんだ!」と友だちに話し、自慢する。そんな体験がまち中に広がり、若者たちが故郷を誇りに思うような、そんなまちに育っていくことを夢見て…。そんな夢をのせて今、稽古が続けられている。

ワシは、チラシをつくらせてもらうという小さいけれどもかかわりを持たせてもらい、先日は稽古にお邪魔した。
市民参加の皆さんがとてもポジティブに取り組んでおられる姿やプロの俳優さんが熱を帯びて参加されている姿を拝見して、一紅さんが柔らかくおおらかな気持ちで場をファシリテートしてる姿を見て、人のあったかい気持ちが集まったいい場だなあと、胸が熱くなったのだ。

そんなことを思い出しながら、繭をかたどった最中を食べている。

来月上旬にはチラシも完成しているかと思います。
そのうちクラファンもはじまります。
また告知させてください。

とりあえず、インスタのリンク貼っときます。
フォローよろしくです。
https://www.instagram.com/ayabe_roudokugeki/

2枚目の写真は、市民参加のお一人がフェルトでつくられた、お蚕さん。

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