『おおさか百景 いま むかし』

『おおさか百景 いま むかし』

講談師・玉田玉秀斎さんと大阪まち歩き大学・陸奥賢さんがコラボする『船場トンデモ人物伝~クロストークと即興講談の夜~』。
陸奥さんが、船場の通りにゆかりのあるトンデモな人を数人紹介し、その後、玉秀斎さんが、その人物やエピソードを交えた講談を即興でつくって披露するという、トンデモな企画が月イチくらいのペースで開催されていて、なかなか参加できないのだけど、先週は久しぶりに参加。やっぱりトンデモなかった(笑)
陸奥さんが紹介するトンデモな人たちが、どっからこんな人たちを見つけてきたんや?ってくらいに、無名に違いないのにとんでもない人たちで、まずこれがすごい。
そして、それを受けての玉秀斎師匠の即興三題噺講談もすごい。即興三題噺というのは前世紀のTV番組「らくごのご」で笑福亭鶴瓶と桂ざこばが挑んでおり、あれはざこば師匠がプレッシャーの中でアタフタするのが見どころのひとつだった。ざこば師匠の「できない!」がよかったのよ(笑)
こちらの玉秀斎師匠も、プレッシャーの中でアタフタしている姿を見せて笑いをとる。5分ほどの猶予であらすじやオチを考えるだけですでに離れ業だと思うが、それ以外のアタフタなところでもキッチリと笑いをとるという、常人には理解し難い、芸の凄みを見ることができる。玉秀斎師匠の「できない!」はまだ見たことがない。

それはともかくとして、今回、陸奥さんが紹介した野村廣太郎がすごい。
何をした人かは陸奥さんが紹介してくれたが、忘れた。唐物町に生まれた印刷屋さんの社長?
本業の傍らで絵を絵を描いた人だが、晩年になって、幼少時代の大正から昭和にかけての大阪を思い出して描いた「おおさか百景 いま むかし」を出版された。これが、とてもいい。
古い幼少時代のことを細かいところまでよく覚えておられて、カメラアイの持ち主か?と思われる。風俗が描かれていることもさることながら、通常ではカメラが入っていけないような内部の様子や、そして当時のモノクロ写真では伝えられない、色がついているのがね、いいのよ。

作品集では、絵画作品と現在の風景が並べられているのだけど、現在の風景がすでに古く、それもまた資料価値があるというもの。

天神橋の鉄橋は写真で何度も見てきたけど、鉄骨の色はこんなにも赤茶色だったんやね。
松島遊郭の夜も雰囲気がある。

Amazonのマーケットプレイスで、最安値が1円、その次が27円。
喜んでいいのか悲しんでいいのかわからん相場だが、もちろん、即ポチッ。本のコンディションを考慮して、27円を(笑)

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