■関係性の4指標
【帰属している】
●お寺や神社にお参りをした
●地域のボランティアやチャリティに参加した
●馴染みの飲み屋で店主や常連客と盛り上がった
●買い物途中で店の人や他の客と会話を楽しんだ
【匿名性がある】
●カフェやパーで1人で自分だけの時間を楽しんだ
●平日の昼間から外で酒を飲んだ
●夜の盛り場でハメを外して遊んだ
●不倫のデートをした
【ロマンスがある】
●デートをした
●ナンパした/された
●路上でキスした
●素敵な異性に見とれた
【機会がある】
●刺激的で面白い人達が集まるイベント、パーティに参加した
●ためになるイベントやセミナー・市民講座に参加した
●コンサート、クラブ、演劇、美術館などのイベントで興奮・感動した
●友人・知人のネットワークで仕事を紹介された
■身体性の4指標
【食文化が豊か】
●庶民的な店でうまい料理やお酒を楽しんだ
●地元でとれる食材を使った料理を食べた
●地酒、地ビールなど地元で作られる酒を飲んだ
●ミシュランや食べログの評価の高いレストランで食事した
【街を感じる】
●街の風景をゆっくり眺めた
●公園や路上で演奏やパフォーマンスしている人を見た
●活気ある街の喧噪を心地よく感じた
●商店街や飲食店から美味しそうな匂いが漂ってきた
【自然を感じる】
●木陰で心地よい風を感じた
●公園や水辺で緑や水に直接触れた
●美しい青空や朝焼け・夕焼けを見た
●空気が美味しくて深呼吸した
【歩ける】
●通りで遊ぶ子供たちの声を聞いた
●外で思い切り身体を動かして汗をかいた
●家族と手を繋いで歩いた
●遠回り、寄り道していつもは歩かない道を歩いた
「交通利便性」「買い物や通院などの生活利便性」「労働市場」「学区などの子育て環境」「福祉」「治安」といった通常の都市評価で重視される項目ではなく、冒頭のような8項目を評価基軸にすると、都市の住みやすさランキングはまったく変わってくる、という本。ヤバいわー。
一人暮らしの人にとって子供の学区は重要ではないし、専業主婦やリタイヤした高齢者には交通利便性は無関係、若いカップルにとっての福祉も関係ない。こんなふうに、特定のライフスタイルやライフステージの人が大切にする指標ではなく、老若男女どのような社会的属性であろうと「関係性と身体性」はすべての都市生活者に共通する評価軸だから、この点から「都市で暮らす楽しさ」や「心地よさ」を浮かび上がらせるのが、冒頭の8項目。
人口一人当たりの公園の面積の大きさ、といったことではなく、アクティビティ、つまり人間の感覚や身体に結びついた指標で都市評価する。「関係性と身体性」で都市を見たら、どうなるか?
「大阪市北区」は「東京都文京区」に次いで全国2位ですと。
ロマンスが評価項目に入るんやで! この指標、素敵やん!
「不倫のデートをした」は、都市の中でいかに匿名性を保てるか、という指標を浮かび上がらせるための項目なのだ。
つか、あんなに坂ばっかりある下町が、この指標だと全国1位になるって、なんて幸福な指標☆
昨年、北野・曽根崎の歓楽街地域をどうしていくのかの会議をずっと重ねてきて、そのなかで出てきたのが、四天王寺大学の阪西准教授が紹介し、都市魅力研室の山納 洋さんがそれを補強してくれた「官能都市」(sensuos city)というワード。
この、「官能都市」(sensuos city)についてがっつり紹介してくれているのが、山納さんからお借りした、この本。
HOME’S総研というシンクタンクが出しているのにも関わらず、表紙はゲンズブール&バーキンという、ある意味ロマンス!ロマンス!ロマンス!な表紙(笑)でも、ちゃんとした研究発表論文集なのですよ!
これから取り組む仕事のヒントになればと思って読みはじめたら、超おもろい。けど、仕事のヒントになるかどうか(笑)
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