河井寛次郎記念館には都合3度行っている。
このミュージアムのいいところは、「素敵な作品を展示しています」といいたげなふうが微塵もないところにある。
展示ケースに置かれているものもあるけれども、作品のほとんどは部屋のなかのあちこちに無造作に置かれていて、説明書きもなにもない。
陶器、木彫、ブロンズ、書…、寛次郎の手がけた作品はじつに個性的で多種多様なのだけれども、それらがなんとも自然に、空間の一部として、情景のなかに溶け込んでいる。
ともすれば、自己主張すらしていない。
「用の美」を提唱し、無名職人たちがつくった民衆的工芸品を発掘した「民芸運動」の主の心映えが、そのまんま凝縮されているようなミュージアムだ。
ただし、寛次郎の書は、彼によって紡がれた言葉の数々は、明確な主張を伴って、僕の心に突き刺さってくる。
心の深いところに突き刺さった寛次郎の言葉を。
「いつも手は心より勇敢なのだ」
「新しい自分が見たいのだ。仕事する。」
さあ、仕事しまくるぞ、と、ここに来るたび思う。
河井寛次郎記念館
京都市東山区五条坂鐘鋳町569
http://www.kanjiro.jp
コメントを残す