インド宇宙誌

「インド宇宙誌」

『インド宇宙誌』。インド神話やヒンドゥー教、ジャイナ教の世界観を図像で紹介するという、大変スリリングな本。
ページをめくるたび、いろいろ図が出てきておもろい!

中央アジアのコータンから出土した壁画に描かれた、世界を体内に収めた仏の姿。宇宙的盧舎那仏ですと。胸部にインド神話の乳海攪拌の物語を思わせる図がある。
マンダラ山を棒にして、龍を棒に巻きつけて縄とし、神々がそれを引いて乳海を撹拌し、不死の霊薬その他もろもろを生み出したという神話が乳海攪拌。

大地を持ち上げている猪姿の女神像。
水の上で眠っていたブラフマーが目を覚まし、宇宙が空っぽであることに気づいた。水の中に大地が沈んでいると考え、それを引き上げるために彼は変身する。魚になり、亀になり、猪になった。大地を両牙で水上に持ち上げ、大地は大きな器のように海上に漂った。

シェーシャ龍をベッドにして眠るヴィシュヌ神。ヴィシュヌ神のへそから生えた蓮華の上にブラフマーがおり、ヴィシュヌ神の足元にラクシュミー女神がいる。

ジャイナ教の宇宙人体図。ヴィシュヌ神の人体の内部が宇宙になっている。腹部の円はヒンドゥー教のジャンプ洲に相当、腹の上が天界、腹の下が地下界。

チャクラの配置図。7チャクラのうち最下部のムーラダーラは股間にあり、最上部のサハスラーラは頭頂部にあって、冠のようになっている。18世紀、ラジャスターンのもの。

インド人の宇宙観。
大地は宇宙龍シェーシャの頭上にあり、シェーシャはアクーバラ亀の上になり、アクーバーラの4本の足は象に支えられ、象は宇宙卵の上に立ち、宇宙卵は深淵に漂う。

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