二月堂の夕日、猿沢池の月

台風一過で、日本全国秋晴れです。
雲ひとつない。
こんな日は、夕焼けがきれいです。
しかも、夕暮れとともに空気は一気に涼しくなってくる。
そして、まもなく中秋の名月。
これだけの条件が揃って、真っ先に頭に浮かんだのは、東大寺の二月堂と猿沢池です。
二月堂って、いいお寺さんです。
大仏殿のような騒々しさがなく、お堂から奈良の広々とした景色が広がっていて、とても清々しい。
そしてなにより、行くなら夕暮れどきです。
眼前の遠くに横たわる生駒山系に夕日がとっぷりと落ちていきます。
その様を、最初から最後まで、遮るもののない大空間とともに、ずっと見ていることができます。
山の稜線がある風景って、つくづくいいな、と、そんなことを思いながら、見てました。
台風一過のこの秋晴れのもと、きっといい夕日が見られると思って、夕方に、サクッと行ってきたのでした。
観想するのに、これ以上の時空間って、滅多にないですね。
ちなみに、前日の9/17は、盆踊りが催されたとか。
二月堂は、日本で一番最後に盆踊りが開催される場所で、河内音頭と江州音頭の音頭取りが一同に集結して、ここで〆の盆踊りをやります。それはそれで大層賑わっただろうし、その賑わいも大好きですが、今日はその喧噪もなく、静かな静かな夕暮れでした。
お水取りの修二会だけでなく、二月堂には楽しめるポイントがいくつもあります。
大仏殿の正面左から石段の道を歩き、大仏殿の裏手を眺めながら二月堂に向かう道も、とても味のある石畳の道です。
大仏殿の裏は意外なほど人がおらず、鹿がのんびりと昼寝をしたりしています。それを横目で眺めながら、人気の途絶えた石畳の道を歩くのは、なかなかの至福のときです。個人的には、日本の道100選に入れたいくらい。初夏には、蛍が飛び交います。
そしてまもなく、中秋の名月。
観月の夜です。
二月堂から歩いて、猿沢池へ。
ライトアップされた興福寺の五重塔が水面に映る、夜の猿沢池です。
翌日の9/19、つまり今日、中秋の名月の日ですが、その日、この場所で、采女祭が開催されます。猿沢池を舞台にした采女の悲恋の物語があり、采女を祀る小さな社が池の傍にありますね。
その準備のためか、猿沢池のぐるりには提灯が提げられ、祭のための船が池に浮かべられていました。
いつもとは趣を変えた猿沢池。でも、静寂に包まれる猿沢池。
池面には、月齢14.8の真円にかぎりなく近い月が、細かな波を打ちながら映ります。
ここもまた、観想せよ、という風景。
秋晴れの夕暮れどきの東大寺 二月堂。
満月の夜の猿沢池。
僕のとっておきの時間です。

二月堂

二月堂

二月堂

二月堂

大仏殿

大仏殿

猿沢池

東大寺二月堂

奈良市雑司町406-1
http://www.todaiji.or.jp/contents/guidance/guidance6.html

猿沢池

奈良市登大路町猿沢49

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