先週末、久しぶりに中崎町のネパール料理店「カンティプール」へ。お久しぶりの矢野夫妻とともに。
最近、ビリヤニがあると聞いて。
カンティプールといえば、ケーキに使うような超上等の小麦粉・サファイアを使っているので、ナンが段違いに美味くて、ビリヤニを食っている場合ではないのだけど、ナンがあれだけ美味いのだからビリヤニも美味かろうということで。
炊き込む時間が少しかかるからと、15分ほど待ってビリヤニ登場☆ いやー、美味かったな。
カシューナッツみたいなナッツ類は入ってるし、干しぶどうやら野菜やら卵やら、具だくさんで。さらに、バスマティライスにスプーンを突っ込んで割ってみると、スパイスがドーンと効いたチキンが出てきて、いやいや、これは美味いですよ。相当レベル高いと思うな。
おかげで矢野夫妻との時間も超楽しかった☆(矢野夫妻とは現役時代の第4コーナーをどうまわるか、という話で盛り上がったのだが、これはまた別の機会に)
大阪はここ数年スパイスカレーが大ブームだけど、そんなブームのはるか昔から中崎町で孤軍奮闘してきたのがカンティプールで、やっぱ、このお店にはちゃんと敬意を払わんとあかんと思うのですよワシは。
さて、そんなカンティプールと今年発行された新紙幣には、じつは意外なつながりがあるのです。
7月に発行された新紙幣は、原料にミツマタからつくられた和紙が使われている。
ミツマタもかつては日本で調達されてきたのだけど、高齢化等で生産量が減少し、今は、ネパール産のものが使われているのだとか。
というのも、ミツマタはじつはネパールが原産地。
繊維が柔軟で強く、紙にすると独特の光沢があるのだそうだ。
そのミツマタの栽培を、もともと自生しているネパールで広め、日本に輸入できるように契約農家を指導してきたのが、日本の企業なのだ。ネパール山間部の貧困対策の一環で、日本の製紙会社「かんぽう」(官報とか政府刊行物を作ってる企業ね)が10年20年、ずっと取り組んでこられた。
ミツマタが栽培されているのは、カトマンドゥから車で7時間以上かかる標高2,000メートル以上のヒマラヤ山脈のふもとの村々。
秋に収穫したあとには、凍りつくような寒さの冬のあいだに、冷たい水にさらし乾燥させる。なかなか過酷な作業だ。
それでも山間部で暮らす人たちにとって、ミツマタの栽培は貴重な現金収入の手段として、貧困削減にも役立ってきた。なんと言っても、貴重な現金収入だ。
その、ネパールで栽培されたミツマタを原料に、ネパールでつくられた和紙を使ったカレンダーが、カンティプールで無償で配布されている。
僕も今年のものをいただき、自宅に飾っている。
さてさて、今年発行された新紙幣だが、そのネパール産のミツマタが使われているのだ。
というか、今やネパールのミツマタがなければ日本の紙幣はつくれないほどで、10年前にはおよそ30トンだったネパールからのミツマタの輸入量は、いまでは100トンにまで増え、ネパール各地で1,000人以上の住民が生産に関わるようになっている。
新紙幣が発行されたとき、カンティプールの岡本さんがめっちゃ嬉しそうにそのことを教えてくれた。
カンティプールのカレンダーと新紙幣は、どちらもネパール産のミツマタでつながっていて、兄弟なんだという素敵なお話。
そんなことを聞きながら、大層美味いビリヤニを食べた、先週末の昼下がりなのだった。
やっぱ、カンティプールは大阪キタの宝ですな。
カンティプールはネパール人を積極的に雇用もしているし、ネパール料理で商売させてもらっていることの「恩返し」をされているお店だ。カレンダーだって、そういう一環で扱ってはることと思う。
写真は、つひまぶ「大阪スパイスカレー号」で紹介したときの別カット。
https://tsuhimabu.com/?p=64
コメントを残す