兵庫県立美術館が持っている「具体」の一連の作品がどどーんと公開されているので、ぽっかりと空いた時間にダッシュで行ってきた。
「今こそGUTAI」。
この時期なので予約制なのだけれども、会期末が近いせいも相まって、美術館は貸切状態で、誰一人と会わずに作品を堪能できるという超贅沢な時間でしたぞ!
のっけから吉原治良の「黒地に赤い円」がどーんと展示されているし、田中敦子の「電気服」の元になった一連の作品は、草間弥生に比する。白髪富士子の和紙を使いマテリアルの特徴を活かした作品は、熱量が高い具体の作品群の中にあって柔らかさを際立たせている。
具体美術協会の一連の作品に共通するものを見つけるのは難しい気がするが、今回初めてじっくりと見た印象としては、あっけらかんとした明るさを感じさせるものが多いような気がする。書の影響もあり、余白が…、と、もっともらしいことを語ることもできるけれども、あっけらかん!と表現するのが、僕としては一番しっくり来た。いやー、現物を見てよかった。webで、印刷物で見続けてきたものがどどーんと目の前に出現した感動もある。
GUTAIは戦後日本美術を語るうえで欠かせない運動体だと思うのだけれども、僕はこれまで、なかなか実物を見る機会がなかった。主な活動拠点は中之島と芦屋だから、関西ではもっと気軽に見せてもらえたらありがたいのだけれども、なぜか、なかなかお目にかかる機会がなかった。
なので、作品をコレクションしている兵庫県立美術館がどどーんと公開してくれる今回のような機会は、とってもありがたい。
それに比べて、大阪市や北区はなにをしてるのか、と思うな。具体美術協会の拠点である「グタイピナコテカ」は中之島にあったのだから、もちょっと真剣に北区の魅力資源として広報してもらいたいし、もちょっと気軽にアクセスできるものにしてほしいものである。北区の魅力資源として共有されているとは言い難いし。2022年開館予定の「大阪中之島美術館」は期待している。
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