久しぶりに深草の、石峰寺へ。
ここは、伊藤若冲が最晩年に住処にしていたお寺さんで、彼はここで、数百体の石仏を掘っています。
五百羅漢を中心に、釈迦の一生を場面ごとに大パノラマで展開しています。
動植物採集図絵を描いたころの精緻を極めた偏執狂的な若冲と違い、ここでの晩年の若冲は、なにか、憑きものが落ちたように、どシンプルな、軽妙洒脱なタッチで、石仏を刻んでいます。
さてこの石峰寺。見どころはもちろん、伊藤若冲の石仏群なのだけれども、これ、今、撮影禁止ですと。むかしは撮影し放題だったんだけど、柵に入る人、勝手にろうそくを持ってきて灯して撮影する人、挙げ句の果てには、石仏を壊す人まで出てくる始末で(なんと30体も!)、ついに檀家総代が切れて、全面的に撮影禁止の措置に出たのだとか。4年前のことやそうです。
最近、そんな話が多すぎます。
伊藤若冲にそれほど光が当たっていなかったむかしは、それはそれはのんびりしたお寺さんでしたけどね。
もうひとつ、石峰寺といえば、日本では珍しい黄檗宗のお寺さんでもあります。中国直系の宗派で、竜宮城のような赤門はじめ、中国色が色濃く出ているお寺さんでもあります。
あちこちに卍のモチーフがあるのも、どことなく異国情緒があります。
石峰寺
京都市、伏見区深草石峰寺山町26
http://www.sekihoji.com/
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