オホホさん

オホホさん。
この人は一体何者なんだろうか? 西表島の節祭のとき、弥勒菩薩の化身であり、豊穣と子孫繁栄をもたらすミルクさんの行列に乱入するかたちで、オホホさんは現れる。らしい。
真っ白な顔にとがった高い鼻、腰には煙草入れを下げて、なぜかブーツ履き、いきなりお腹のあたりから札束を取り出して、ミルクさんと子どもたちや観客の女性にさかんにちょっかいを出す。背負った風呂敷包みにもぎっしりと札束が入っており、カネで女性や子どもたちを連れていこうとするが、誰もついていかない。ということになっている。カネの力では豊穣も子孫繁栄も得られないという教訓なのだそうが、下手をするとミルクさんよりも大人気なお人なのですよ、オホホさん。そもそも、神なのか悪魔なのか、人なのか人ではないものなのか。
裏声で、オホホホホホホーッ!しか言わないのは言葉が通じないからだということになっていて、オホホは異国から船でやってきたオランダ人、というのが定説らしい。西表島には、1600年頃にオランダ人が漂着した記録が残っており、オランダ人が村の娘を拉致したという話が残っているとのことだ。当時はいろいろな異国船が東シナ海を行き交っていて、「ウランダピトゥ(オランダ人)」というのは異国人の総称でもあった。一方で、となりの新城島には、やはりオランダ船漂着の記録が残っており、村人が助けたそうだ。同じ漂着のことが伝説となって各島に伝わっているのか、異国船の漂着が何度もあったのか。謎は深まるばかりである。
ミルクさんを追っかけていたら、オホホさんに出会った。気になって仕方がない(笑)

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