映画『夜のまにまに』が扇町キネマで上映なので、見に行く。
2年前の先行上映が十三の七藝だったので、だんだん近づいてきてるぞ(笑)
天満なんちゅーにぎやかな場所で暮らしていると、自分が住んでいたり行動範囲にある場所がガッツリ映画の舞台になるパターンはちょいちょいあって、この映画もまたそんな映画で、そういう映画は見に行くようにしているのだ。
ストーリーそっちのけで、スクリーンに映る景色のチェックばっかりするハメになったりもするけれども(笑)
2年前の七藝での先行上映も見に行ったし、今回の扇町キネマも。そしてどちらも監督の舞台挨拶付きで。
監督の磯部鉄平さんも、どうやらこの界隈にお住まいのようで、しかもこの界隈が好きでこの界隈でばかり映画を撮っておられるようだ。なんとなく親近感を感じるな(笑)
京橋駅前の延命地蔵が出てきたと思ったら、網島町の京阪線路下の地下通路を通り、OMMの横をチャリでぶっ飛ばし、銀橋をトボトボと歩き、飛翔橋や川崎橋が出てきて、さざなみプラザが主要な舞台となる。
さざなみプラザが舞台の映画って、世界でこれだけやねんね(笑)
中津のカンテグランデも主要な舞台だ。天神橋の橋裏が見えたと思ったら、そこは中之島公園。アバンザ堂島のジュンク堂の児童書の棚、天満橋駅前、駆け抜ける土佐堀通。一瞬だが、空中庭園のシネリーブルの待合場所も映った。そこから見えるグラングリーンはまだ工事中だ。淀川の十三側の河川敷、北斎場横の玉泉院、京橋の鳥焼肉 四万十家 二郎、太極拳の方々も出てはりましたな。分からなかったのは主人公の住むボロいアパートくらいなもので、知ってる場所どころか毎日のワシのチャリの生活圏しか出てこない…。
いろいろと縁のある映画で、
この映画はそもそも、十三の七藝の一番後ろの列、真ん中の通路の(スクリーンを見て)左隣の座席が、物語が動き出すきっかけとなるのだが、じつは僕の七藝での定位置が、その座席だ。この映画の先行上映のときも、そうと知らずにその席で見ていて、おおっ!と声が出そうになった。
今回は扇町キネマだったが、やはり同じ場所に陣取った(笑)
なんもかもが、自分の現実とシンクロしていて、スクリーンと現実がシームレスでつながっているのが、楽しい!
無論、映画そのものもおもしろい。
幼馴染の彼女と別れた彼は、別れたはずなのに、別れきれずにダラダラと関係を続けている。
そこに現れた女は、彼氏の浮気を疑って、彼に浮気調査を依頼する。現状から目を背ける彼や彼女たちは、夜を泳ぎ、夜のまちを彷徨うなかで、それぞれの過去と向き合い、心の距離を縮めていき、明けない夜はないことに気づく。
若者の主要な時間がそうであるように、この映画は、夜の波間を映し出す。夜の大阪の映画だ。ナイト・クルージング。ナイト・ドリフティングな映画。
若い頃のワシも、物語が立ち上がる時間はいつも、夜だった。
映し出される大阪キタの風景もすべてが夜だ。夜の大阪の、騒々しさのない、やわらかな風景が映し出される。観光客向けではない、生活者の大阪の夜の風景。
ラスト、登場人物たちは、それぞれのやりかたでひとつの句読点を打ち、それまでの物語に、夜に、別れを告げる。
そして奇妙礼太郎の『朝までのブルース』が流れる。いつもどおりの切なさが満載の礼太郎節だが、これがいい。とってもいい曲だ。監督と僕とで、奇妙くんの音楽の話で、いくらでも盛り上がることができる。
大阪出身者で固められ、ステレオタイプのコテコテではない生活者としての大阪が描かれた、アオハルな映画だ。音楽も。
今日は扇町キネマでの初日で、監督の舞台挨拶があり、監督と少し話した。
いろいろと縁のある映画だが、先行上映の2年前から現在までのあいだに、またまた縁が増えたのだ。
じつは、奇妙くんともよく演奏を共にしている某ミュージシャンが、僕の行きつけの天満駅前の喫茶店の「プランタン」の常連だということが、この2年の間に分かった。というか、この2年、プランタンでしょっちゅう顔を合わせている。
その話を監督にしてあげたら、「え、僕さっきまでプランタンでお茶してましたよ!」って(笑)
どんだけいろんなものがつながっていくのか(笑)
夜のまにまに
http://bellyrollfilm.com/mani/
扇町キネマ
https://omcube.jp/kinema/
扇町キネマでの上映は、
5/30〜6/2:14:30〜
6/3〜6/5:19:15〜
今のところ、これがラストの上映ですと。


コメントを残す