元興寺の浮図田


ならまちにある元興寺。
蘇我馬子が飛鳥に建立した日本最古の仏教寺院・法興寺を、平城遷都に伴って、現在の地に移転させ、元興寺とした、と。ただし、元の飛鳥の地には、今も、飛鳥寺がありますわな。そちらには、日本最古の大仏・飛鳥大仏が、当時から1mmも動くことなく現在もそこに鎮座されておりまする。
平城京は、大化の改新で蘇我氏が滅んだのち、藤原鎌足+天皇家が新体制を築くなかで建設された新都なので、蘇我氏系の元興寺は冷遇されまくりましたな。
隣の興福寺は藤原鎌足の氏寺で、うーんとカネを注ぎ込まれてるから、コントラストが際立ちます。だいたい、興福寺=今、隆盛を誇ってる寺、元興寺=むかし、隆盛を誇った寺、って意味だし。
蘇我氏+聖徳太子一族が祟りを起こさないように鎮魂の意味で平城京の端に移築されたお寺さんなので、移築当時はなかなかな伽藍を誇ったのだけれども、そっから先、火事で焼失したりしても、そのまんま。おかげで現在は、極楽坊と禅室しか残っとりません。
ただし、屋根瓦。創建当時の屋根瓦が今も残っていて、ということは、これ、日本最古の瓦ですわ。屋根瓦の色の薄いところは、飛鳥時代につくられた瓦です。
見ていて飽きないのは、極楽坊の前に整然と並べられた膨大な数のお地蔵さん。
奈良時代から現在まで一貫して親しまれてきたのはお地蔵さんだけれども、奈良におけるお地蔵さん人気は他の追随を許しませんな。とにかく膨大な数のお地蔵さんがあって、今の住職さんが、それをひとつに集めて、ここに並べたんだとか。
1500体ほどのお地蔵さんが林立するここは、「浮図田(ふとでん)」と名付けらてます。
あと、もちろん撮影不可だけれども、収蔵庫のなかには、かつて存在した五重塔の1/10スケールがあります。この五重小塔は奈良時代につくられたもので、室内に置かれていたために、今でも保存状態がとってもよろしい。ほか、収蔵庫には見事な阿弥陀仏もあり、ここは相当見応えがあります。


元興寺

奈良市中院町11
http://www.gangoji.or.jp/


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