新之介さんの「凹凸を楽しむ 大阪「高低差」地形散歩」を茶屋町の丸善ジュンク堂でゲーット!
ここ数年、彼が立ち上げた「大阪高低差学会」で取り組んでいるフィールドワークと研究の集大成の本です。
ブログはずーっと拝読しているので、特に写真は見知ったものが多く、高低差学会には入っていないのだけれども、妙に親近感があります(笑) そーいえば、新之介さんには長いことお会いしていないな。。。
中沢新一の「大阪アースダイバー」もそうだったけど、新之介さんの「高低差」も、まちの見方にまったく新しい視点を持ち込んだ、目からウロコが何百枚と剥がれ落ちるような、新鮮な驚きに満ち溢れた本になっています。
やっぱ、個人的に興味深く読みたいところは、キタ界隈について書かれたところ。
太古の時代の大阪駅周辺がクヌギ林だったことをはじめ、大阪駅に段差が多いのは地形が関係していることなど、ワクワクするような初めて知ることがたくさん書かれていて、おんもしれー!のひとこと。
大阪天満宮は天満砂洲の上に建てられており、わずかながら隆起していること、中津町一帯の地溝帯のことなど、この本を手にちゃんと歩いてみないと!と思わせる情報が満載です。(ピエロハーバーの写真も!)
ほか、僕が最近目を向けている四天王寺や住吉大社周辺、さらには僕が育った千里丘陵でのフィールドワークの成果も発表されているので、これからこの本を手に歩く機会が増えそうです。
以下、amazonに掲載されていた立ち読みの写真を。
若かりし頃の新之介さんは、アバンギャルド芸術を製作する現代アーティストでした。
ピエロハーバーが中津にあったころの「芸術祭」で、彼の若かりしころの作品を拝見したことがあります。
彼は長くサラリーマン人生を歩んでおられますが、アーティスト活動をやめられたわけではなく、「郷土について調べ、知ることが今の自分のアート」と、いつかのピエロハーバーで彼が話していたことを、僕ははっきりと記憶しています。
この本のプロローグにも、「40歳を過ぎたあたりから郷土愛に目覚めるようになった」と書かれていますが、その郷土愛をこんなふうに新鮮な視点で表現することは、正しくアートなのだと、この本を拝読していて思います。
新之介さん、このたびの上梓、おめでとうございます。
そのおかげで、僕は、この本を片手にまちを歩くという楽しみを持つことができました。
ありがとう、新之介さん。
本のコンテンツは、以下の通りです。
Ⅰ 大阪の地形の魅力 高低差概論
1 砂州の上にできた大阪
東京と大阪の地形/海の底だった大阪/潮流の難所だった難波/
地名に隠された土地の記憶/古代大阪は先端土木都市
2 母なる上町台地の記憶
上町台地と上町断層/ヤマト政権の外港と官道/埋もれた幻の難波宮/
消えた上町台地の谷/坂の上にあった大坂/秀吉が選んだ天然の要害
3 地形歩きの極意
様々な視点で地形を楽しむ/◆高低差エレメント視点/◆アースダイバー視点/
◆スリバチ地形視点/◆路地歩き視点/◆暗渠・川・水路跡視点/◆境界線視点/◆ドンツキ視点
Ⅱ 大阪の高低差を歩く
大坂のはじまりの地
①上町台地の最先端[ 大阪城 ]
②堀川開削と町の拡張[ 道頓堀 ]
③低湿地と砂州を巡る[ 大阪駅 ]
上町台地の高低差巡り
④丘の上からの夕陽[ 天王寺 ]
⑤自然地形の谷巡り[ 阿倍野 ]
⑥古代地形を巡る[ 住吉大社 ]
水辺の跡に誘われて
⑦堺と古墳の丘[ 仁徳天皇陵古墳 ]
⑧消えた旧中津川[ 十三 ]
古代の海岸線を辿る
⑨スリバチ地形と湧水の丘[ 千里丘陵 ]
⑩大和の玄関口[ 柏原 ]
⑪河内を見守る生駒山地[ 石切 ]
⑫伊丹段丘の崖巡り[ 川西・伊丹 ]
[特別寄稿]皆川典久
大阪高低差学会
http://osakakoteisa.blog.fc2.com/
十三のいま昔を歩こう
http://atamatote.blog119.fc2.com/
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