つひまぶ、新しいのん出ました☆
今号は、「天神祭号」です。
本来は7月発行なのですが、みなさんに天神祭のことを勉強していただくためにですね、1ヶ月前倒しして、6月に発行です。
みなさん、これ読んで、天神祭の予習をしてくださいねー。それだけで、今年の天神祭の見方が、ぐっと変わります。
いつものコラムページもすっ飛ばして、全編、天神祭一色の号になってます。
最終ページには、大阪を代表する美術史家・橋爪節也先生にも寄稿していただいています。この人、電話でしゃべってると、めっちゃおもろい(笑)
天神祭は日本三大祭に数えられるくらいに有名だけれども、祭の中身を知ってる人は案外と少ない。キタ界隈で働いている人でも、花火でしょ!って人がめっちゃ多いです。花火なんて、ほんの一部ですからー。
といっても、過去に天神祭をガイドした雑誌や本はいくらでも出版されてきました。
それに、天神祭はとてもでかい祭なので、たかだか12ページや16ページしかないつひまぶで紹介できることなど、知れているのですよ。
手垢のついた天神祭ガイドなんて今さらつくりたくないし、あの膨大な情報量をどう処理するのよ?ってことで、そもそも、天神祭をつひまぶで取り上げること自体、編集長の僕は反対だったのですね。そんなもん、他の雑誌がいくらでもやるんだから、そっちに任せとけ、って。
ところが、ですよ。編集メンバーのなかに、きょーれつに♥天神祭ラブ♥な人がいましてですね、この人は天神祭を紹介したくてつひまぶの編集メンバーに加わったのではなかろうか?というほどに、♥天神祭ラブ♥を訴え続けるわけです。
そーなるとですな、せっかくの編集メンバーの貴重なきょーれつな熱意でもあるし、それを汲み上げない編集長なんて編集長じゃないので、そのラブを汲み上げてですね、つくりましたですよ、ええ。
なんか、1年がかりくらいで、結構、やりあいましたけど(笑)
そもそも、どこまでを天神祭として紹介するのか、その範囲設定からして、結構、やりあいました。
たとえば、ギャルみこしや商店街のみこしの巡行、ドラゴンボート選手権なんかは、天神祭の範疇に入れるのか入れないのか。神事と神賑行事としての天神祭ということで言えば、そこらは厳密に区別することができます。でも、つひまぶで紹介するなら、それらも含めて、観客も含めて、天神祭ということにしたほうがいいんじゃないの、とか。
厳密に厳格に、これは天神祭でこれは夏祭り、これはイベント、ってやっちゃうなら、菅南八町会の広報誌かなにかでやりなよ、みたいなことも口にしたこともありました。そーゆーところから含めて、そーとー、やりあいましたよ。
そーゆーところからスタートして、とりあえず写真だけは全部押さえとけ!ってことで、昨年の天神祭では、来るべき誌面製作に向けて、編集部総出で撮影しまくってました。神輿を担いだメンバーもいました。
そう。なんだかんだで、この号は、1年がかりでつくった号なのです。
腐ってもつひまぶです。そこらへんにあるような陳腐な天神祭ガイドをつくるわけにはいきません。
なんせ、つひまぶは、キタで暮らし、キタで働き、キタを愛する人たちに、もっとキタを知ってもらい、キタを再発見してもらい、つひまぶを読んだその人が、外に向けて、キタの素敵なところを宣伝してもらうための雑誌です。日本一のフリーペーパーを目指している雑誌です。
なので、繰り返しますが、そこらへんにあるような陳腐な天神祭ガイドをつくるわけにはいかんのです。
これまでにない切り口で、おもしろくて、かつ、現体制で、現誌面でできること。
そーとー考えましたよ。
誌面構成を何度つくり直したことか!
最初はね、花火や陸渡御や船渡御といった派手な行事に隠れて、神職たちがおこなっている神事や、神職たちが裏側でどんなふうに動いているのかを中心に紹介していこうか、なんてことで進めていたんです。
そこ、あんまり日が当たらないから。
でもねー、その裏側にスポットを当てるとなると、前提として、表側を紹介しないとダメです。なんせ、表側の全貌すら広く伝わっていないのだから、そこから紹介する必要があり、それをやったうえで裏側にスポットを当てるなんてことは、つひまぶのページ数程度では、まったくもって無理です。スペースが、全然足らない。
足らないことに加えて、おもしろくないんですね。だって、神事って、結局のところ、巫女さんが舞って、お神楽が奏でられて、神職さんがお祓いしてる図ばっかりなんですよ。もちろんそこには深い歴史もあれば意味もあって、文化の粋のカタマリなのだけれども、なんせビジュアル的におもしろくないし、動きも少ないので、そんなのを延々と紹介したら、寝ちゃいます。つひまぶは学術誌じゃないから、読者を睡魔に襲わせてはいかんです。
一方で、あれだけデカい祭なので、裏側はドタバタです。神職さんたちは、走りまわってます。そのドタバタはもちろんおもしろいんですが、そればっかりやっちゃうと、普段、厳かに祭儀を執りおこなっている神職さんたちの威厳は丸つぶれになっちゃいます。それは、よろしくない。
それでもね、一応は、神職さんたちを真ん中に据えて天神祭を紹介する、という切り口で進めてみたんです。
タイトルも、「神職たちの天神祭」ってことにして。
ところが、ですよ。このタイトル、そのまんま、一字一句違わず、「大阪人」が4年前に発行した別冊「天神祭の歩き方地図」で使われていたことがわかってですね、あちゃーですよ。これはいかん!
そっから、何度かの軌道修正を重ねてですね、やっと、最終型に辿り着き、無事に発刊です。
タイトルは、「天神祭の七十五日間」。
天神祭は、7月24日と25日の2日間なので、七十五日間ってなによ?ってことです。
天神祭というのは、毎年5月上旬、講社連合や実行委員会が集まり、斎主である天満宮宮司より、今年も天神祭をおこないたいが協力していただけるか?と、協力依頼がなされるのですよ。それがあって、初めて、その年に天神祭がおこなわれるかどうかが決まります。これ、形骸化した儀礼ではなく、マジでやるんです。
そっから動き出すわけですが、例年通りでよろしく!とはいかないことがヤマほどもあって、準備は大変なのです。
そもそも、7月7日は星愛七夕まつりが開催されます。天神祭のはじまりは七夕と位置付けられているので、じつは、この星愛七夕まつりこそが、天神祭のはじまりなのです。その日から、7月25日まで、延々と、天神祭の行事はおこなわれているのです。陸渡御や船渡御や花火なんてのは、そのうちのほんのヒトコマです。
さらにさらに、25日ですべてが終わるわけではなく、翌日には片付けがあります。
つまり、今年もやります!と決めて(今年は5月11日)から祭が終わった翌日の片付けまで含めて、七十五日間です。
そーゆーものをですね、裏も表も日の当たるところも当たらないところも、全部ひっくるめて追いかけたのが、今回の特集です。
これは裏でこれは表、これは神事でこれは神賑行事、というふうに最初はわけていたんだけど、つくり進めていくうちに、いやいや簡単にわけられるものではないぞこれは、ということもわかってきて、レイアウトは何度も変更されました。
デジタルチックにスパンと割り切れないところこそが、祭の祭たる所以で、イベントとは違うのだということを、痛感しました。
神輿?みこし?御輿? 巡行なの?巡幸なの? 「宮入」は送り仮名つけて「宮入り」? 蔵?庫? 難しい読みかたの漢字にルビ振るの振らないの?
校正段階でも、揉めに揉めましたですよ。
詳しい人に聞き、文献をあたって調べ、こだわるところはこだわり、つくってます。
つひまぶはいつも、かなり厳密に校正・校閲をおこなっているけれども、今号でも、そのへんは、真っ当な出版物として、きっちりと精査してます。
というわけで、見どころマップもなければ、各行事のスケジュールもないし、陸渡御や船渡御の渡御列の順番も載ってなければ、祭りのあとに食べにいけるようなオススメの店情報も載っていない、観覧にはまったく役に立たない特集ですが、天神祭ってなにをやってるのよ?ってことを、裏側と表側と、日の当たらないところにたくさん日を当てて、少しは紹介できたのかな、と。少しは、今までにないような天神祭の本になったのかな、と、そんなふうに思ってます。
♥天神祭ラブ♥な編集メンバーのコネクションをフルに活用して、かなり内部にまで突っ込んで取材させてもらった号です。
天神祭ってこんなにいろいろやってるの?ってことだけでも、感じてもらえたら。
ぜひぜひ、ご高覧くださいませ。
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