奈良の興福寺には南円堂というお堂がありまして、南円堂には、不空羂索観音菩薩さんを中心に、その四方を四天王が護るかたちで配置されてます。これ全部、国宝。それはそれは見事なお堂です。西国巡礼の札所にもなってますな。
で、それと対をなすかたちで、北円堂というのがあります。
ありますが、こちらは通常は非公開。毎年、春に2週間ほど開帳されます。
南円堂も北円堂も八角堂ですが、こちらの八角堂はめっちゃ優雅です。フォルムがめちゃくちゃ美しいですね。
道内には弥勒如来を中心に、法苑林と大妙相菩薩さん、無著菩薩さんに世親菩薩さんがしたがい、さらに四天王があいだを埋めます。
弥勒如来にこれだけの脇差が揃うのは、ちょっと珍しい配置ですわ。
さて、このなかにいらっしゃる無著さんは、インドのえらいお坊さんです。エラいお坊さんは修行の果てに菩薩に祭り上げられるので、ここでも菩薩として扱われてます。
この無著さんの彫像がね、めっちゃくちゃいいです。日本の肖像彫刻の最高傑作やと思いますね。この像があるおかげで、日本の彫刻の水準は、世界に一歩も引けをとらないとほどやと思いますわ。
非常に親しみを感じる像だけど、厳しい修行を乗り越えた人だけが持つ、大地を強く踏んで堂々と立つ像です。どこをとっても品格を備えているし、写実に徹していて、天平彫刻を学び、なおそれを乗り越えることのできた数少ない彫刻。もちろん、運慶作です。
もうひとつ、御朱印集めをしている僕としてはですね、この時期に訪れて、南円堂と北円堂の御朱印を対でもらうという歓びもあります。ちなみに、ついでにもらった春日神社の御朱印も、ええ字☆
興福寺 北円堂
http://www.kohfukuji.com/about/construction/hokuendo.html
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